2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680688
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 暢宏 金沢大学, がん研究所, 助教授 (50294955)
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Keywords | ゴルジ体 / 小胞輸送 / 局在化 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
(1)今年度は、これまでに行ってきたGM130の局在化機構の解析に引き続いて、GM130のゴルジ膜上でのレセプターである事が示唆されているGRASP65のゴルジ膜への局在化機構の解析を行った。A)^<35>S-メチオニンをトレーサーとし、細胞分画法でゴルジ体分画への局在を計時的に解析したところ、GRASP65は合成後すみやかにゴルジ体へ局在化することがわかった。b)新規合成タンパク質の局在化を形態学的に調べたところ、小胞体からゴルジ体への輸送をmSar1pの生細胞への微細注入によって阻害した条件でもGRASP65のゴルジ体への局在化が観察された。c)試験管内転写翻訳系を用いて合成したGRASP65は、精製したゴルジ体膜へ特異的に結合した。以上の結果から、GRASP65が翻訳後、直接ゴルジ体に局在化する事が明らかとなった。GM130及びGRASP65がいずれも小胞体を介さずに直接ゴルジ体に局在化することは、GM130とGRASP65の複合体が、ゴルジ体の分極を規定する構造体を構成する分子である可能性を支持していると考えられた(投稿中)。 (2)GM130及びgolgin97の局在化にかかわる、ゴルジ膜上の結合タンパク質を解析するために、a)GM130及びgolgin97のゴルジ結合部位を用いた酵母two hybrid解析、b)GM130結合ビーズを用いた、結合タンパク質の生化学的分離とその同定、を行ったが、残念ながら現在までに有意に結合するタンパク質、およびその遺伝子は同定出来ていない。今後は、GM130,GRASP65、またgolgin97と結合するゴルジ体タンパク質をさらに探索するとともに、これらのタンパク質のゴルジ体への結合の制御機構を探る予定である。 (3)小胞体からの輸送小胞のゴルジ膜への融合を再構成する系を開発中であるが、現在のところ、活性をもった小胞の分離条件等を検討中である。
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