2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680691
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡垣 壮 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (80185412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小浜 一弘 群馬大学, 医学部, 教授 (30101116)
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Keywords | 血管 / 平滑筋 / ミオシン / ミオシン線維 |
Research Abstract |
我々はこの数年間平滑筋細胞内のミオシン線維を安定化する因子(38kDa蛋白質)の研究を行ってきた。この蛋白質の性質を解析するために平成12年度には以下の様な実験を行った。 (1)ニワトリ38kDa蛋白質のシグナル配列の解析:この38k蛋白質はヒトp32のホモログであることがクローニングによってわかっている。p32はミトコンドリアにも分布する蛋白質で、ミトコンドリア内に取り込まれる際にN端の約70アミノ酸配列が消化されることが報告されている。すなわちp32は70アミノ酸残基のシグナル配列をもつことになる。我々がニワトリ平滑筋からRT-PCR法で得ていた38k蛋白質のcDNAはシグナル配列よりも下流の配列しか含んでいなかったので、シグナル配列をも含む全長のcDNAを得ようと努力した。cDNAライブラリーを作製しスクリーニングを行ったが、いずれのクローンもシグナル配列の付近でGC-richになっていて、cDNA合成がストップしていた。そこですでに配列のわかっているヒトp32の全長の配列をpETベクターにサブクローニングし大腸菌で発現する実験が進行中である。今後この発現蛋白質とミオシンとの結合実験をおこないシグナル配列のミオシンの性質に及ぼす影響を調べる予定である。 (2)38kDa蛋白質の細胞内分布と平滑筋分化との相関:マウス大動脈平滑筋由来の細胞株ACO1を使って、分化のレベルを調節する実験を行った。すでに培養液の血清濃度を低下させることによって平滑筋特異的な蛋白質すなわちα-アクチン、高分子量型カルデスモン、デスミンの発現レベルが増加することがわかった。また逆にPDGFの添加によりこれらの蛋白質の発現レベルが著しく低下し、細胞骨格が消失した脱分化の状態になることが確かめられた。38k蛋白質の分布は脱分化の状態では細胞骨格から核小体に変わることがわかり、この蛋白質が分化のマーカーになることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Okagaki & 4 persons: "Assembly of smooth muscle myosin by the 38k protein, a homologue of a subunit of pre-mRNA splicing factor-2"J.Cell Biol.. 148. 653-663 (2000)
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[Publications] Nakamura & 5 persons: "Calcium binding properties of recombinant calcium binding protein 40, a major calcium binding protein of Physarum"Biochemistry. 39. 3827-3834 (2000)
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[Publications] Kishi & 11 persons : "Stable transfectants of smooth muscle cell line lacking the expression of myosin light chain kinase"J.Biol.Chem.. 275. 1414-1420 (2000)
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[Publications] Kishi & 2 persons: "Inhibitory effects of ML-9, wortmannin, and Y-27632 on the chemotaxis of vascular smooth muscle cell in responese to PDGF"J.Biochem.. 128. 719-722 (2000)
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[Publications] Tomioka & 4 persons: "Propofol potentiates ATP-activated currents of recombinant P2X (4) receptor channels expressed in human kidney 293 cells."Neurosci.Lett. 284. 167-170 (2000)