2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞におけるCDK5活性化サブユニットp35の分解制御機構の解析
Project/Area Number |
12680700
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
久永 真市 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20181092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 太郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (70301413)
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Keywords | 神経 / 脳 / CDK5 / p35 / カルパイン / プロテアソーム / リン酸化 |
Research Abstract |
サイクリン依存性キナーゼ群(CDKs)は細胞周期進行に関わる最も重要な因子である。ただし、CDK5のみは分裂を停止した神経細胞で活性が検出される特異なCDKsである。遺伝子欠損マウスを用いた研究から、CDK5は脳皮質における神経細胞の層形成に関与していることが判明している。CDK5の活性制御については、活性化サブユニットp35が必要であるという以外殆ど判っていない。我々は最近の研究で、(a)制御サブユニットp35の蛋白量はプロテアソームによる分解で調節されていること(BBRC、1998)(b)p35のp25への限定分解がカルパインによっておこなわれること(JBC、2000)、(c)酵母のtwo-hybrid systemを用いてp35に結合する新規なチロシンキナーゼを分離したことなどの新たな結果を得ている。本研究では、(a)と(b)の結果を更に発展させ、p35の分解を介したCDK5の活性調節機構について検討した。p35のCDK5による自己リン酸化が、p35のプロテアーゼによる分解またはカルパインによる限定分解かを選択調節していた。自己リン酸化部位のコンセンサス配列をリン酸化されないアラニンに変異し、自己リン酸化させて調べたところ、The138が分解シグナルになっていることが推測された。一方、カルパインによる限定分解はリン酸化により抑制された。p35の異なるプロテアーゼによる分解はラット脳の成熟に伴い変化していた。プロテアソームによる全分解は成熟に伴い減少し、カルパインによる限定分解は起こりやすくなっていた。この変化もp35のリン酸化によって制御されていることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Bibb,J.: "Phosphorylation of protein phosphatase inhibitore-I by Cdk5.J."Biol.Chem.. (in press).
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[Publications] Uchida,A.: "The neurofilament of Klotho, the mutant mouse prepaturely displaying symptoms resembling human aging."J.Neurosci,Res.. (in press).
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[Publications] Taniguchi,S.: "Calpain-mediated degadation of p35 to p25 in postmortem human and rat brains."FEBS letter. 489. 46-50 (2001)
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[Publications] Kusakawa,G.: "Calpain-dependent proteolytic cleavage of the p35 CDK5 activtor to p25."J.Biol.Chem.. 275. 17166-17172 (2000)
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[Publications] Kitazawa,H.: "Ser787 in the proline-rich region of human MAP4 is a critical phosphorylation site that reduces the microtubule polymerization activity."Cell Struct.Funct.. 25. 33-39 (2000)
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[Publications] Tokuoka,H.: "BDNF-induced phosphorylation of neurofilament-H subunit in primary culture of rat cortical neurons."J.Cell Sci.. 113. 1059-1068 (2000)