2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680701
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
駒崎 伸二 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80129155)
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Keywords | 両生類 / 胚細胞 / 遺伝子 / 強制発現 / 機能解析 / 骨格筋 / 筋小胞体 / T管 / Triad |
Research Abstract |
我々は哺乳類の骨格筋細胞を用いて、その細胞内Caイオン濃度調節機能に関与しているTriad構造(T管と筋小胞体から成る構造)の形成に関与している分子の探索を行っている。現在までに、その可能性のあるいくつかの遺伝子を単離し、それらの機能解析を進めている。単離した遺伝子の解析法として、遺伝子産物である蛋白質の発現パターンの解析、遺伝子の強制発現実験、ノックアウトマウスの作成による遺伝子機能解析などを行っている。まず最初に、単離したいくつかの遺伝子の中から重要な機能を持った遺伝子を探す方法として、遺伝子の強制発現実験による細胞への影響を調査し、その遺伝子の機能を推測することを行っている。しかしながら、一般の培養株細胞(たとえば、CHO.PC12、MDCKなど)を用いた実験では、それらの株細胞における生理機能が限られたものになっているために、遺伝子の機能解析がうまく行かない場合が多い。そこで、我々は、非常に多様な細胞生理機能を発現している、発生初期の胚細胞を用いて遺伝子の強制発現実験を行った。そして、遺伝子の強制発現により、胚細胞内に引き起こされた細胞内オルガネラの変化を観察して、遺伝子の機能を推測する方法を試みた。 我々が単離した遺伝子のいくつかについて、その方法を試みて、既にいくつかの成果をあげつつある。たとえば、筋小胞体の網目構造とTriad構造の形成などに関与しているMG29遺伝子、そして、T管と筋小胞体を結合させてTriad形成に重要な働きをしているJP-1、JP-2遺伝子などがある。これらについては、イモリの胚細胞を用いた遺伝子の強制発現実験を行い、その遺伝子機能を推定してから、有望なものについてノックアウトマウスを作成した。その結果、以上の遺伝子全てについて、イモリの胚細胞を用いた遺伝子の強制発現実験により推測された機能が、ノックアウトマウスにおいて再現性良く確認できた。これらの結果から、イモリの胚細胞を用いた遺伝子の強制発現実験が哺乳類の遺伝子機能解析のために、非常に有効な手段の1つであることが証明された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 駒崎伸二: "ボディープランと器官形成"心臓""現代化学(増刊). 39. 105-113 (2001)
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[Publications] Moriya,N.,Komazaki,S.,Takahashi,S.,Yokota,C.& Asashima,M.: "In vitro pancreas formation from Xenopus ectoderm treated with activin and retinoic acid"Development Growth and Differentiation. 42. 593-602 (2000)
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[Publications] Uchiyama,H.Koda,A.Komazaki,S.Oyama,M.Kikuyama,S.: "Occurrence of immunoreactive Activin/Inhibin beta (B) in thyrotropes and gonadotropes in the bullfrog pituitary : possible Paracrine/Autocrine effects of activin B on gonadotropin secretion."General & Comparative Endocrinology. 118(1). 68-76 (2000)
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[Publications] Takeshima,H.,Komazaki,S.,Nishi,M.,Iino,M.,& Kangawa,K.: "Junctophilins : A novel family of junctional membrane complex proteins"Mollecular Cell. 6(1). 11-22 (2000)
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[Publications] 浅島誠,駒崎伸二 共著: "分子発生生物学(動物のボディープラン)"掌華房. 131 (2000)