2000 Fiscal Year Annual Research Report
左右非対称な発現を司るnodal遺伝子の初期エンハンサーの同定
Project/Area Number |
12680716
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西條 幸男 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (20260333)
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Keywords | 左右非対称 / 転写調節機構 / マウス初期発生 |
Research Abstract |
マウス初期胚において左右軸形成期に左右非対称に発現する遺伝子群の転写調節機構の解析を行ってきた。leftyやnodalは、左側特異的なエンハンサー(ASE)を介して、転写因子FASTによって活性化すること、さらにこれらの転写調節機構はnodal遺伝子を中心としたauto-regulatory loopを形成しており、何らかの左側特異的なinitiationのシグナルが入ることにより発現が拡張してゆく機構であることが明らかになった。そこで本研究では、その発現誘導のシグナル自身がnodalだという仮説に基づき、nodal遺伝子の初期エンハンサーを同定し、どのような転写調整機構によって左側特異的な転写が始まるのかをしるため、解析を行ってきた。まず、nodal遺伝子の初期エンハンサーの同定を行った。ASEとは異なった、5'上流約5kbのところに左側側板中胚葉で強い活性を持つエンハンサー領域を同定した。欠失解析からその活性が380bpに存在すること、ASEの活性に重要な役割を果たしていたFAST結合配列が見られたが、この配列に変異を導入してもその活性は変化しなかったことからASEとは異質なエンハンサーであること、さらに点突然変異や様々な欠失コンストラクトの解析から複数の転写因子によって制御されていることが明らかになってきた。今後は、さらにコアとなる転写因子結合配列を同定し、転写因子の同定を行っていく予定である。また、このnodal遺伝子のエンハンサーが左右非対称な遺伝子群のトリガーであることを証明するため、このエンハンサー領域の欠失突然変異マウスの作製を行っており、現在、欠失突然変異を持ったES細胞由来のマウスを得ることが出来たところである。
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