2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680717
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岩尾 康宏 山口大学, 理学部, 教授 (10144916)
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Keywords | 受精 / カルシウム / イモリ / 細胞分裂 |
Research Abstract |
アカハライモリの精子抽出物をイモリ未受精卵に注入すると卵内のカルシウムイオン濃度を上昇させて卵を付活することがわかっている。この精子細胞質中の卵付活因子の活性分子を明らかにすること、およびそのシグナル伝達経路を明らかにすることを主な目的として卵付活活性の高度な精製とその分子の性質を詳しく調べた。 イモリ精子細胞質をintracellular medium(ホ乳類用)を用いてソニケーション後に抽出し、卵付活活性をアフニティークロマトグラフィー装置により高度に精製した。イモリ精子の卵付活活性は特異的な糖鎖を含む糖タンパク質であることが明らかとなったが、ハムスター精子の細胞質中の卵付活活性はこれとは異なる糖鎖をもつことがわかり、この点で種特異性が見られた。しかし、イモリ精子抽出物をマウス卵に注入すると卵内カルシウム濃度の上昇を引き起こすことを示唆する結果が得られたので、卵付活分は種を超えて共通の性質をもつと考えられる。 また、精子による卵付活における卵内シグナル伝達のしくみを明らかにするため、イモリ未受精卵内にイノシトール-3-リン酸(IP3)やヘパリンの微量注入により、卵付活の阻害効果が明らかとなったが、Gタンパク質阻害剤やタンパク質チロシンキナーゼの機能阻害ペプチドなどの効果は結論を得られなかった。今回、精子による刺激と精子抽出物中の付活分子による反応がほぼ同等のものであることを明らかとなったがさらに検討が必要である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ueda, Y, Yoshizaki, N, Iwao, Y: "Acrosome Reaction in Sperm of the Frog, Xenopus leavis : Its Detection and Induction by Oviductal Pars Recta Secretion"Developmental Biology. (In press). (2002)