2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680728
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井上 明宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80322080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 繁男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60204012)
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Keywords | 網膜-視蓋投射 / 組織培養系 / 細胞接着分子 / シナプス形成 / GFP / カドヘリン / アデノウィルスベクター / 層特異性 |
Research Abstract |
ニワトリの網膜神経節細胞の軸策投射の大部分は中脳の視蓋に投射し、その末端は視蓋表層側のSGFS-A〜F層で分枝し、終末を形成する。免疫グロブリンスーパーファミリー細胞接着分子のSC1はその視神経受容層に特異的に発現している。平成12年度は、視蓋での層特異的な視神経の結合におけるSC1の役割を調べる目的で、網膜片と視蓋スライスの共培養系に特異抗体を添加し、その効果を解析した。その結果、抗体添加によって培養下で再現される視神経節細胞軸策末端の特異受容層への留まりが乱され、対照群と比較して非視神経受容層へのはみ出しが多くなることを見出した。一方で、末端の分枝の程度には影響を与えなかった。 また、中枢神経シナプス形成過程における膜表面分子の機能を調べるためのシステム作りを行った。胎生5日のマウス海馬のスライスを有孔疎水性膜上で培養し、3週間後でも錐体細胞が生存しており、電気生理学的応答を検知することができた。現在、アデノウィルスベクターを用いた緑色蛍光蛋白質(GFP)遺伝子の錐体細胞への導入発現によって、スライス培養下でのシナプス形成過程における形態的変化を解析中である。また、機能分子としてはN-カドヘリンに着目し、N-カドヘリンのC末端の終始コドンを除いてGFPと融合させた遺伝子の発現ベクターを作成した。このベクターを線維芽細胞株に導入し、GFP蛍光の顕微鏡観察、SDS電気泳動およびイムノブロット、さらには免疫細胞化学染色において、目的分子の細胞内での発現を確認した。現在、接着能の保存と、スライス培養への感染のためのアデノウィルスベクターを作成中である
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