2000 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドホルモンレセプターの神経系細胞内における動態の解析
Project/Area Number |
12680735
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
西 真弓 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40295639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 賢一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40315932)
小澤 一史 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60169290)
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Keywords | リアルタイムイメージング / 蛋白-蛋白相互作用 / ステロイドホルモンレセプター / 核-細胞質間輸送 / GFP / 生細胞 / FRET / 初代培養神経細胞 |
Research Abstract |
われわれの研究室では種々のステロイドホルモンレセプターとgreen fluorescent protein(GFP)あるいはそのspectral variant(CFP,YFP,RFP)などとの融合蛋白を用いて、その生細胞内局在をリアルタイムに追跡する系を確立し、研究をすすめてきた。本研究課題では、細胞内局在の変化、とくにGR,MRの細胞質-核間輸送に焦点をおいて、細胞骨格蛋白、他の細胞内小器官、核内輸送因子、核膜複合体蛋白などのステロイドホルモンレセプターの細胞内局在変化に及ぼす影響を解析することを目的とする。コルヒチン処理により細胞骨格蛋白を破壊しても核移行には影響しないことが明らかになった。またhsp90の特異的阻害剤であるgeldanamycin投与によりCOS細胞においてはGRおよびMRの核移行が阻害され、hsp90がこれらレセプターの核移行に重要な役割を担っていることが示唆された。一方、初代海馬培養神経細胞においてはgeldanamycinで同様に処理しても、核移行には有意な変化は認められず、細胞種におけるhsp90の作用機序に相違があることが示唆された。さらに、GR-CFPおよびYFP-MRを同一細胞に共発現させ、共通のリガンドであるcorticosteroneの影響を調べたところ1μM投与では両レセプターの核移行速度に有意差は認められなかったが、1nMでは親和性の高いMRの方が高い核移行速度を示した。13年度は、importin α,βなどの核内輸送因子の影響を同様な共発現の系で解析するとともに、fluorescence resonance energy transfer(FRET)を用いて核内輸送因子や核膜複合体蛋白とステロイドホルモンレセプターとの蛋白-蛋白相互作用の解析もすすめていく予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Ogawa H.: "Localization of nuclear coactivators p300 and steroid receptor coactivator 1 in the rat hippocampus. "Brain Res. 890. 197-202 (2001)
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[Publications] 西真弓: "コルチコステロイドレセプターとストレス"神経精神薬理. (In press).
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[Publications] Nishi M.: "Trophic interactions between brain-derived neurotrophic factor and S100β on cultured serotonergic neurons. "Brain Res. . 868. 113-118 (2000)
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[Publications] Ito T.: "In vitro and in vivo immunohistochemistry for the distribution of mineralocorticoid receptor with specific antibody. "Neurosci Res. 37. 173-182 (2000)
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[Publications] Yoshimoto K.: "Changes in dopamine transporter and c-Fos expression in the nucleus accumbens of alcohol-tolerant rats. "Alcohol Clin Exp Res. 24. 361-365 (2000)
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[Publications] Maegawa Y.: "Effects of near-infrared low level laser irradiation on microcirculation. "Lasers in Surgery and Medicine. 27. 427-437 (2000)
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[Publications] 河田光博: "転写因子としてのステロイドホルモンレセプターの細胞内動態とその生理的意味."自律神経. 37. 215-220 (2000)
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[Publications] 河田光博: "組織細胞化学 GFPを用いた機能タンパクイメージング."学際企画(日本組織細胞化学編)東京. 6 (2000)
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[Publications] 西真弓: "細胞内機能タンパクの局在・動態の可視化、ポストゲノム時代の実験講座シリーズ「GFPとバイオイメージング〜原理・応用・検出のすべて〜」、"羊土社、東京. 8 (2000)
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[Publications] Kawata M.: "Imaging analysis of nuclear receptors of corticoids and estrogen in the brain. Molecular Steroidgenesis (Eds. Okamoto M., Ishimura Y., and Nawata H) "Universal Academy Press Inc. , Tokyo, Japan. 4 (2000)