2000 Fiscal Year Annual Research Report
14-3-3ファミリーの細胞内標的分子のプロテオーム解析
Project/Area Number |
12680748
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
市村 徹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (50213012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒辺 俊明 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70106607)
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Keywords | 14-3-3タンパク質 / 細胞内シグナル伝達 / タンパク質リン酸化反応 / タンパク質キナーゼ / PC12細胞 / プロテオーム解析 / プロテオミクス |
Research Abstract |
14-3-3ファミリーは、モノアミン合成系の酵素から核内因子に至まで、多くの標的酵素・タンパク質とリン酸化反応に依存して複合体を形成するが、その標的にはRasの上流・下流に位置するガン関連遺伝子や、受容体チロシンキナーゼに連結した一連のシグナル伝達分子が含まれる。申請者らは14-3-3ファミリーは、複数のシグナル伝達経路を結合する"コーディネーター"であると推定している。この仮説を実証することがシグナル伝達系でのこのファミリーの役割や作用についての理解を深め、最近の話題でもある細胞内情報伝達ネットワークのクロストークの実体を明らかにするために重要と考える。本研究では、myc-tag標識した14-3-3ηアイソフォームを安定に発現しているPC12細胞株(PC12-14e株)を用いて実験を行なった。14-3-3ηと複合体を形成している標的蛋白質は、この細胞溶解液から、myc抗体を用いて免疫沈降することで回収し、SDS-PAGEまたは二次元電気泳動で分離した後、銀染色によって検出した。また、複合体形成を阻害するアミノ酸変異(E185→K)を導入したmyc-14-3-3ηを用いて同様の実験を行ない、その結果を特異性を評価するためのコントロールにした。本方法により、少なくとも30種の標的蛋白質が14-3-3ηに特異的に結合していることが分かった。そこで、これらの標的蛋白質をゲル内で酵素消化した後、フラグメントを抽出し質量分析計を用いて同定した。現在までに同定したタンパク質約30種の内、報告されていたものは3種であり、そのほとんどが新規の14-3-3標的分子であった。今後それぞれの相互作用の特異性を検討するとともに、その生理的役割について明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)