2002 Fiscal Year Annual Research Report
14-3-3ファミリーの細胞内標的分子のプロテオーム解析
Project/Area Number |
12680748
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
市村 徹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (50213012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒辺 俊明 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70106607)
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Keywords | 14-3-3タンパク質 / 細胞内シグナル伝達 / リン酸化反応 / タンパク質キナーゼ / PC12細胞 / プロテオーム / プロテオミクス |
Research Abstract |
143-3ファミリーは、モノアミン合成系の酵素から核内因子に至まで、多くの標的酵素・タンパク質とリン酸化反応に依存して複合体を形成するが、その標的にはRasの上流・下流に位置するガン関連遺伝子や、受容体チロシンキナーゼに連結した一連のシグナル伝達分子が含まれる。申請者らは14-3-3ファミリーは、複数のシグナル伝達経路を結合する"コーディネーター"であると推定し、この仮説を実証することを目的として実験を試みた。本研究では、myc-TEV-Flag(MEF)tag標識した14-3-3ηを用い、PC12細胞に存在する14-3-3の標的分子を網羅的に解析した。PC12細胞から、MEF-14-3-3ηに結合するタンパク質をMEF-tagを利用した多段階免疫沈降法により回収し、SDS-PAGE後、質量分析系を用いて同定した。その結果、少なくとも121種のタンパク質が14-3-3ηと複合体を形成していることが分かった。これらの内、14-3-3と結合することが報告されているタンパク質は17種のみであり、残り(104種)は今回新規に同定された標的候補タンパク質であった。さらに、同定されたタンパク質の内に14-3-3の認識配列(RxxpSxP配列)を持つものは40%程度であり、異なる認識配列の存在も予想された。これらの分子は、細胞膜の成長因子受容体からGタンパク質に至る一群のシグナル・アダプター分子を含んでおり、14-3-3にはこうした分子をリン酸化/脱リン酸化反応と連動して連結させる活性があることが強く示唆された。また、その内のキネシン軽鎖2(KLC2)についてはこれが14-3-3に直接結合する成分であること、またその結合にはKLC2がSer575でリン酸化されることが必須であることを証明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ichimura T. et al.: "Interaction of tyrosine hydroxylase and 14-3-3 proteins in PC12 cells"Catecholamine Res.. 53卷. 61-64 (2002)
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[Publications] Ichimura T. et al.: "Phospharylation-dependent interaction of kinesin light chain2 and the 14-3-3 protein"Biochemistry. 41巻. 5566-5572 (2002)
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[Publications] 市村 徹 他: "細胞内シグナル伝達経路のプロテオミクス研究"実験医学. 別冊. 197-204 (2002)