2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規転写因子Zfh-Xの中枢神経系発生における機能とその発現調節機構
Project/Area Number |
12680788
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小峰 由里子 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90280586)
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Keywords | ATBF / ZFHファミリー / 神経系発生 / アンチセンスRNA |
Research Abstract |
【平成12年度の成果】 1.マウス胎児脳cDNAライブラリーより,ほぼ全長のzfh-Xセンス鎖cDNAを単離した。このcDNAは約9kb,2561アミノ酸からなるタンパク質をコードしていた。ZFH-Xタンパク質は,18のZnフィンガーと3個のホメオドメインを含んでおり,マウス,ヒトの既知のタンパク質,ATBF1およびZFH4とともにファミリーをなすと思われる。 2.マウス染色体上でのzfh-X遺伝子の構造を確定した。Zfh-X mRNAは,染色体上約35kbにわたって10のエクソンに分かれて存在している。また,strannd-specific RT-PCRなどの方法を用いて,アンチセンスRNAが発現しているかどうかを染色体上に沿って走査した。その結果,mRNA(センス鎖RNA)の転写終結点より8-10kb下流からアンチセンス鎖が転写されていることが示唆された。さらに,このアンチセンス鎖転写開始領域近傍2-3kbにおいてはマウス・ヒト間でゲノム塩基配列が大変よく保存されており,アンチセンス鎖転写調節領域として重要な機能を持った領域であることが示唆された。 3.zfh-Xセンス・アンチセンスRNAの発現パターンについて,それまでの解析に加えさらに様々な脳領域,発生段階において解析した。その結果,大脳cortical plate,海馬錐体細胞,嗅球顆粒細胞など様々な神経細胞で,細胞分化初期の段階でのアンチセンスRNAの発現,その後より分化段階が進むにつれてセンスRNAの発現が上がってくるという経時的変化が観察できた。 【現在進行中の実験】 4.今後タンパク質レベルでの解析を進めるために,抗ZFH-Xポリクローナル抗体を作成中である。 5.zfh-X欠失マウスの作成を計画し,一部についてはすでに進行中である。
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