2000 Fiscal Year Annual Research Report
視床枕核-頭頂連合野投射の解剖及び機能に関する研究
Project/Area Number |
12680800
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松崎 竜一 関西医科大学, 医学部, 助手 (70239002)
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Keywords | 頭頂連合野 / 視床枕核 / 帯状回 / フィールド電位 |
Research Abstract |
麻酔下に、サルの下頭頂小葉を中心に、頭頂連合野の種々の領野の皮質表面と、表面より2.5〜3.0mmの皮質深部に、大脳皮質フィールド電位記録のための慢性記録電極を設置した。回復後、覚醒下でタングステン電極を視床及び、帯状回の各所に刺入し、微小電気刺激を行い、誘発された大脳皮質フィールド電位を解析した。視床核刺激では、主に後外側腹側核、後外側核、視床枕核吻側部・外側部・内側部刺激により、頭頂間溝周囲に、いずれも表面陰性-深部陽性電位が引き起こされた。この電位の分布には、視床核により局在が認められた。一方、帯状回刺激では、その後部の一部の刺激により視床核と同様に、表面陰性-深部陽性電位が、頭頂間溝周囲で記録された。この電位の分布は、視床枕核内側部刺激によるものとほぼ一致していた。以上の結果を、従来の形態学的知見と併せて考えると、帯状回より、視床枕核内側部を介して、頭頂連合野へと至る投射の存在が示唆された。今後は、刺激強度を下げるなどして、電流滑走をできるだけ小さくし、視床核及び、帯状回におけるより詳細な局在を調べると共に、形態学的検索により、電気生理学的に明らかとなった局在を確認する予定である。これには、WGA-HRP、蛍光色素(順行性標識が可能なもの)等を用い、電気生理学的に同定された視床核中継部に注入して、頭頂連合野皮質における順行性標識終末と、帯状回皮質での逆行性標識細胞の分布の検索を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Gemba H: "Motor functions in the posterior parietal cortex in the monkey"Neurosci.Res.Suppl.. 24. S16 (2000)
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[Publications] Amino Y: "Cerebellothalamocortical projections to the parietal cortex in the macaque monkey"Jpn.J.Physiol.Suppl.. (in press). (2001)
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[Publications] 玄番央恵: "サルおよびラットを用いた随意運動発現機序の研究"日本生理学雑誌. 63・1. 36 (2001)
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[Publications] Kyuhou S: "Magnetoencephalographic study on cerebral cortical activities related to speech In : Biomag 96 (Aine CJ, Okada Y, Stroink G, Swithenby SJ & Wood CC eds)"Springer, New York, Berlin. 821-824 (2000)