2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本で分離さらたLCMウイルスの知見を基にした組換え抗原の作製と診断法への応用
Project/Area Number |
12680815
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大沢 一貴 長崎大学, 医学部, 助手 (90244756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 宇史 長崎大学, 医学部, 教授 (00158908)
片峰 茂 長崎大学, 医学系研究科, 教授 (40161062)
佐藤 浩 長崎大学, 医学部, 教授 (50072947)
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Keywords | LCMウイルス / 遺伝子組換え抗原 |
Research Abstract |
リンパ球性脈絡髄膜炎(LCM)ウイルスは、プロトタイプとしてWE株が広く知られているが、日本国内でもある港湾地区のマウスからLCMウイルスが分離(OQ株)されている。このOQ株のS遺伝子についてWE株と比較検討した結果、他の多くのRNAウイルスにみられる現象と同様に、核酸・アミノ酸レベルでかなり多くの差異を認めた。このため、日本国内においてLCMウイルスに感染したか否かを高感度、かつ特異的に診断するためには、国内分離株を用いた診断用抗原の作製の必要性が不可欠であると考え、この研究に着手した。 WE株およびOQ株より総RNAを抽出し、RT-PCR法を用いてS遺伝子のcDNA断片を得、これをpCR2.1ベクターにTAクローニングした。発現用ベクターとして用いるpDsRedにのせかえ、その後、このベクターをCOS7細胞にトランスフォームし、抗原性の有無の確認を行う予定である。 現在、以下8つの領域についてTAクローニングまで終了している。すなわち、WE株ではGp(糖タンパク)の全長、GpのN末2/3、Np(核タンパク)のC末領域、中間領域、OQ株ではGp-2領域、Npの全長、N末領域、中間領域である。 現在、間接蛍光抗体法を用いた診断が主流であるが、その場合、診断用抗原作製時にヒトへの感染性を考慮する必要もある。これに反し、今回の発現系による診断用抗原の作出に成功すれば、これら問題点を解消し、より診断の容易なシステムが完成することが期待される。
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