2001 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞特異的発現遺伝子プロモーターを用いた成人T細胞白血病モデルマウスの作製
Project/Area Number |
12680816
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大杉 剛生 熊本大学, 動物資源開発研究センター, 助教授 (00211102)
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Keywords | HTLV-I / tax / mice / transgenic mice / Lck |
Research Abstract |
Human T cell leukemia virus type I (HTLV-I)は成人T細胞白血病(ATL)およびHTLV-I関連脊髄症(HAM/TSP)などの原因ウイルスである。これら疾患の病態および治療等の研究のためには動物モデルの作出が必須である。本研究では成人T細胞白血病(ATL)モデルマウス作製を目的として、T細胞に特異的に発現する遺伝子プロモーターを用いてT細胞にHTLV-I tax遺伝子を発現するトランスジェニックマウスの作出を試みている。 1.HTLV-I tax遺伝子導入トランスジェニックマウスの作出 T細胞特的発現Lckプロモーターの、胸腺特異的発現proximalおよび末梢T細胞発現distalプロモーターの下流にtax遺伝子をつないだトランスジーンをC57BL/6の受精卵に導入し、各々28匹(♂17、♀11)、27匹(♂14、♀13)の産仔を得た。尾からDNAを抽出し、tax遺伝子特異的プライマーにより、導入遺伝子を確認したところ、proximal、distalともに3匹づつ(♂)陽性であった。さらにサザンブロットを実施し、proximalは3匹、distalは2匹にトランスジーンの導入が確認された。 2.トランスジェニックマウスF1の作出 proximalおよびdistalグループのfounder♂1匹に対し、C57BL/6♀2匹で交配したが、産仔を得ることができなかった。そこで各マウスの片側の精巣をとり、体外受精によるF1の作出を試みた。Proximal 7匹(♂5、♀2)、distal 5匹(♂3、♀2)の産仔を得たが、PCRで導入遺伝子は確認できなかった。 ついで、繁殖能力の低い近交系マウスではなく交雑群B6C3F1(C57BL/6 x C3H/He)マウスを用いて交配をおこなったところ、distalの1匹から産仔を得ることができ、現在解析中である。
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