2001 Fiscal Year Annual Research Report
スンクス口蓋扁桃における粘膜免疫応答と扁桃性病巣感染症の発生機序に関する研究
Project/Area Number |
12680818
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Research Institution | Kansai College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
東家 一雄 関西鍼灸短期大学, 鍼灸学科, 助教授 (90183491)
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Keywords | スンクス / 粘膜免疫 / 口蓋扁桃 / 腎糸球体 / IgA / 特異抗体産生 |
Research Abstract |
本研究は食虫目実験動物スンクスが保有する扁桃組織を抗原刺激することでIgA産生を伴う局所粘膜免疫応答を惹起し、IgA腎症などの扁桃性病巣感染症の病態モデルを確立することを目的として遂行された。今年度はまず、扁桃における粘膜免疫応答解析プローブとしての抗スンクスIgA抗体作製に取り組んだ。粘膜アジュバントであるコレラトキシンの反復経口投与で賦活化されたスンクス消化管粘膜上皮のlysateを抽出し、スンクスIgAと交差反応を示す抗マウスIgA抗体を吸着させたアフィニティー精製カラムにより免疫抗原とするスンクスIgA分画の単離を試みたが、精製分画のタンパク濃度は低くドットブロット解析でも十分な反応は得られなかった。一方、扁桃局所に誘導巣した特異抗体産生と遠隔臓器としての腎臓への影響について病理組織学的ならびに免疫組織化学的検索では、扁桃に抗体産生応答を認めた個体の腎臓において巣状に特異抗体陽性の顆粒状沈着を示す腎糸球体が認められた。メサンギウムの増殖や半月体形成などの病変像は認められなかった。酵素抗原法による免疫電顕的検索では、抗体陽性反応は肥厚した内皮基底膜下に瘤状の沈着やメサンギウム領域での顆粒状沈着に一致して観察された。しかしながら抗原抗体複合物の形成に関与する免疫グロブリン成分についてはIgAよりもむしろIgGへの反応性が高く検出される場合があり、得られた腎糸球体病変の形成機序とIgA腎症モデル確立については、今後の検討課題が示された。
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