2000 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節システムの患者個体別計算バイオメカニクスと顎関節診断への応用
Project/Area Number |
12680830
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 正夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40163571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄二 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (40273693)
東藤 正浩 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10314402)
|
Keywords | バイオメカニクス / 計算生体力学 / 個体別モデル / 顎関節 |
Research Abstract |
本年度は,次の項目について検討を行った. 1.個体別計算力学モデリング:診察時に撮影可能な限られた断層撮影像から,額関節コンポーネントのサーフェースモデルを構築し,各コンポーネントの有限要素参照モデルをこれに適合させることで,各患者個体別モデルを作成する基本的方法論を確立した.また,閉口および開口時の下顎頭コンポーネントの頭蓋骨コンポーネントに対する相対位置より,開口運動時おける下顎頭の動作経路を決定し,これにより顎関節システムにおける力学状態シミュレーションのための基本的な負荷条件を決定する手順を導いた. 2.関節円板の応力解析シミュレーション:健常者における顎関節コンポーネントの力学特性定数を用いた開口運動時の計算力学シミュレーションを行い,関節円板における応力状態を解析すると共に,関節円板の弾性定数と開口運動に伴う円板の移動との関係について検討を行った. 3.関節円板前方転位モデルの検討:顎関節症患者の代表的な症状のひとつとして,関節円板前方転位モデルを考えた.円板前方転位モデルにおいては,骨コンポーネントと関節円板との空間的配置により,開口運動における軟組織による応力再配分および円板の移動の状態が健常状態と大きく変化する.これには円板力学的性状だけでなく,線維化による円板周辺結合組織の力学的性状に大きく依存し,これまで十分に検討されていなかった周囲結合組織の力学特性試験の重要性が示唆された.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] M.TANAKA: "Finite element analysis of articular disc of temporo-mandibular joint based on individual modeling"Proc.12th Conf.European Society of Biomechanics. 178 (2000)
-
[Publications] 浅井大輔: "顎関節軟組織の力学特性と円板転位に関する計算生体力学的検討"日本機械学会講演論文集. 014-1(発表予定). (2001)