2000 Fiscal Year Annual Research Report
多周波数アドミタンス法による体水分分布及びその変化の推定
Project/Area Number |
12680843
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
酒本 勝之 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (50053674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 寛 上智大学, 理工学部・電気電子工学科, 教授 (20053548)
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Keywords | 両極型定電流源、 / 増幅率可変型電圧増幅器、 / 前方散乱強度 |
Research Abstract |
1)アドミタンス装置の開発 バンド幅1MkHzのアドミタンス測定装置の開発を行った。性能は以下の通りである。A)電流源は両極型定電流源(フローティングと同様の動作)で、周波数、振幅がコンピュータでコントロール。定電流源の誤差は1kΩまで100kHzで約0.01%以下。B)電圧検出部は増幅率可変型電圧増幅器で、5段階のコンピュータでゲインコントロール(40dBから60dBの間)。バンド幅は利得40dDで1MHz。C)入力部では、電極にバファーを取り付け、1MHzで入力インピーダンスIMΩ以上。D)CMRRは100kHzで約90dB。E)入力換算雑音は約1μV以下(バンド幅1Hz)。電圧検出器の検波回路で実効値を求める回路を用いた為、外乱の影響を受け測定値が非常に不安定となった。このため実験は失敗であった。来年度に改良する必要がある。検波では同期検波をするため、掛け算器を用いた検出回路にする必要がある。定電流源、検波回路以外の増幅部の特性はきわめて良好であった。 2)測定セルの作成 系統的に血液の物理特性を検討するため、光学特性と電気特性(2電極法)を同時測定できるガラス製セルの作成。赤血球の配向の状態、物理特性への影響を調べるため、セル内厚さ方向の赤血球数を10数個にするようにセルサイズを、チャネル厚さ150μm、幅20mm、長さ170mmとした。アドミタンス測定装置が不良のため、血液の光学特性の測定(光源はキセノンランプ)を単独で実行。前方散乱、後方散乱とも流れの影響を受け、特にshearの増加と共に散乱の角度分布はミイの散乱に近づくことが分かった。使用した光の波長は660nmで酸化ヘモグロビンでは流れによる前方散乱強度は数%以下の減少。還元ヘモグロビンによる光吸収の影響が大きく赤血球の配向により前方散乱強度が20%程度減少した。来年度は後方散乱強度の測定精度向上が必要である。
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