2002 Fiscal Year Annual Research Report
多周波数アドミタンス法による水分分布及びその変化の推定
Project/Area Number |
12680843
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
酒本 勝之 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (50053674)
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Keywords | エコノミー症候群 / 3次元境界要素法 / 下肢アドミタンスの周波数特性 / 自律神経系 / 細胞形状変化 / 細胞内外液量変化 |
Research Abstract |
1.エコノミー症候群の研究 前年度の研究結果、座位での下肢部細胞内液量の減少が見られた。この結果を検証するため、本年度は自律神経系の関与の検討も含め、座位、横臥位、横臥位(下肢を10cmおよび45°上げた状態)での細胞内外液量の変動を推定した。1分間隔でのアドミタンス測定中に上腕での血圧測定を5分間隔で測定した。被験者は20歳男子で、やせ型、標準型、肥満型(長身及び標準)を含め4名でである。測定は春夏秋冬各2回づつ行った。以下に結果を示す。 a.座位では昨年同様、細胞内液量の減少と細胞外液量の増加が見られた。この傾向は肥満型と長身型で顕著であった。この傾向に季節変動は見られなかった。 b.横臥での自律神経系の関与が示唆されたが、あまり顕著には現れなかった。この原因は血圧測定によるものと思われるため、次年度は心電図も併用測定する必要がある。 c.下肢を10cm及び45°持ち上げた状態での細胞内液は増加の傾向が見られた。細胞外液量の変動はあまり見られなかった。以上の結果は、従来生理学的に考えられている変化と異なっている。さらなる詳細な検討が必要である。体位変化によるうっ血、虚血等による細胞形状変化の影響受け下肢アドミタンスが変動している可能性も示唆された。 2.3次元境界要素法による生体組織インピーダンスの理論解析 生体組織のアドミタンスは細胞膜の特性、細胞の形状に大きく影響を受ける。3次元境界要素法により細胞膜の影響を下記の通り詳細に検討した。(前年度までは、差分法、有限要素法による) a.3次元境界要素法のプログラムの開発 b.回転楕円体細胞モデル(細胞膜厚さ0.007μm、短径4μm、長径8μm)でのアドミタンスの計算を行った。前年度までの計算結果(差分法、有限要素法)と低周波と高周波領域での変化が異なり、ほぼコール・コール分布(実測データに近い値)変化をし、生体細胞アドミタンスへの細胞膜の関与の仕方が詳細にわかった。 d.次年度は以上の細胞結果を基に組織アドミタンスの周波数特性を検討する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 降谷 典雄, 酒本 勝之, 金井 寛: "生体組織構造と電気アドミッタンスの関係に関する研究"日本臨床生理学会雑誌. Vol.33, No.1. 13-19 (2003)