2003 Fiscal Year Annual Research Report
多周波数アドミタンス法による水分分布及びその変化の推定
Project/Area Number |
12680843
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Research Institution | KITASATO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
酒本 勝之 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (50053674)
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Keywords | インピーダンスCT / エコノミー症候群 / 体脂肪 / 組織電気アドミタンス |
Research Abstract |
1.電子回路の調整 臨床応用を目的とした多周波インピーダンスCTの回路の作成と調整を行った。電子回路(増幅回路)の非常に安定した装置の開発に成功した。CMRR90dB以上(50kHz)、雑音(p-p)1マイクロV以下(帯域10Hz)とインピーダンスCTとして必要な精度が得られた。しかし、臨床応用を目的とした装置のため、0.1sec〜0.5secの測定時間を目標にしたが、データ収集回路に問題を残し、目標測定時間を得ることができなかった。 2.エコノミー症候群 昨年度得られた下肢での電気アドミタンス値の測定結果に生理学的な検討を加えるため、末梢循環(毛細血管から静脈系)の血行動態の解析を分布定数線路理論を用いて行った。動脈系では2分岐モデルを採用し、静脈系では動脈圧の影響、呼吸による陰圧の影響を考慮した。以上の計算結果と、4.の検討結果をより、電気アドミタンス法による推定値'下肢部位でのうっ血状態に伴う細胞内液量の変動'はほぼうっ血による細胞の変形によるアドミタンス値の変動であり、細胞内液量変動でないことが示唆された。 3,体脂肪の測定 成人病での肥満の問題は糖尿病などと密接な関係にあるため臓器脂肪の測定は非常に重要である。アドミタンス法により臓器脂肪を測定するため、差分法による胴体部の脂肪と体表電位分布との関係を計算し基礎的検討を行った。表皮下数センチ(3cm)以下に存在する脂肪による体表電位分布の乱れはごく僅かで、電気アドミタンス法による胴体部臓器脂肪の測定はかなり困難であることが分かった。 4.組織電気アドミタンスの周波数特性 色々な形状をした細胞による組織電気アドミタンスの周波数特性の検討を境界要素法により行った。回転楕円体モデルを用いての解析解では得られない結果が得られた。組織を構成する細胞のコール・コール分布に細胞の大きさの違いだけでなく形状の違いが大きく関与していることが分かった。
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Research Products
(1 results)