2000 Fiscal Year Annual Research Report
自己血管細胞と生分解性材料を用いた組織工学による肺内肺動脈の作成、臨床応用
Project/Area Number |
12680845
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
青木 満 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80175736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新岡 俊治 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20192122)
瀬尾 和宏 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20167472)
今井 康晴 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30075246)
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Keywords | 組織工学 / ティッシュエンジニアリング / 細胞培養 / 自己細胞 / 弁膜組織 / 肺動脈弁 |
Research Abstract |
1.基礎的研究 動物実験による至適ポリマー、至適細胞数、至適組織裁断法の探究及び選定を行う。実験動物として子犬を用い、大腿部の静脈片を採取し、そこから自己血管壁細胞の単離、培養を開始した。十分な細胞数が得られれば、生分解性ポリマーの弁付き導管(7X 10mm)に播種し一週間のポリマー上での培養を継続する。一週間後に細胞を採取した同一動物を全身麻酔下に左開胸し、体外循環下に肺動脈弁を完全に切除した後に、主肺動脈をこのティッシュエンジニアリングで作成した導管で置換した。コントロール実験として組織断片を播種しないポリマーのみの移植も行う。移植3-12ヶ月後に作成された組織に対して造影検査、生化学的、生力学的、免疫組織学的検討を行う。生化学検査として、組織中コラーゲン、エラスチン、カルシウム濃度の測定を行い、インストロン張力検査機を用いて作成された組織の最大張力を測定し自己の同じ部位の組織と比較検討する。組織学的には免疫染色の手法を用いて内皮細胞の指標である第八因子を染色すると共に細胞間隙の間質蛋白質を染色し自己組織と比較検討する。同種細胞(allogenic)は拒絶反応の因子を排除できないため、細胞は全て自己(autologous)細胞を用いた。<ヒト細胞のin vitro実験> ヒト心膜より採取した平滑筋細胞、線維芽細胞、中皮細胞を用いてポリマー上での増殖能、ポリマーへの接着性、成長因子の影響等の分子生物学的研究をin vitroで行っている。 2.臨床応用 段階的根治手術が予想される初回姑息手術時、約15mm長の末梢静脈片を完全清潔下に採取し、直ちに組織培養液中に浸漬し、手術室内の細胞培養室にて単純裁断法を用いて組織の断片化を行う。播種細胞数は10万個/cm2とし、細胞播種後、約一週間で一弁ハッチとして移植手術を行う。術後約1ヶ月後に、心臓カテーテル、造影検査、心臓超音波検査を行いフォローアップは6ヶ月毎にに心臓超音波検査を用いて形態学的検索及び組織過形成の有無等を経過観察する。
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