2001 Fiscal Year Annual Research Report
微小管と微小繊維の機能の細胞磁気計測と蛍光抗体法および微分干渉顕微鏡による研究
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12680846
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
根本 幾 東京電機大学, 理工学部, 教授 (40105672)
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Keywords | 細胞骨格 / 微小管 / 微小繊維 / 生態磁気計測 / 細胞磁気計測 / ATP |
Research Abstract |
微小管と微小繊維は、中間径繊維と呼ばれるもう一種類のタンパク質の繊維とあわせて細胞骨格と呼ばれ、細胞内の物質輸送、細胞形態の保持その他重要な役割を担っている。これらの働きにより細胞内小器官が動く様子を、細胞磁気計測によって調べる。特に磁性粒子を取り込んだ食胞がランダムな回転をする原因となるエネルギーErの大きさを測定した。その新しい測定法として弱い磁界を長時間かけたままにして、一定間隔を置いて細胞からの磁界を測定する方法を開発し、その性能を確かめた。これにより、ゆっくり変化するErを追跡することが出来る。細胞内ATP濃度をMIAによって下げると、30分後以降にErが上昇した。これはATPがすべてのエネルギーの源であることを考慮すると奇妙な現象である。この原因を調べるため、蛍光抗体法によってMIA投与後の微小繊維や微小管の様子を調べると、微小繊維が減少し、微小管は減少しないが細胞の周辺部での配列が乱れたり不自然に伸張している様子が観察された。さらに微分干渉顕微鏡で観察すると、細胞周辺部の大きな形態変化が極めて明瞭に観察された。これらの結果から、次のような予想を立てている。微小繊維と微小管は特に細胞周辺部において相互に結合部位を持ち、それによって細胞の形態保持をしている。特に微小繊維は細胞膜に張力を与えて細胞を丸く引き締めており(アメーバ運動をするときには逆に伸張する役目も持つが)、微小管は中心体から周囲に伸張しようとする弾性エネルギーを蓄えている。MIAによってATP濃度を低下させると、Gアクチンの重合が阻害され微小繊維が減少する。すると微小管のたががはずれたような状況になり、蓄えられていた弾性エネルギーが開放され伸張する。このとき微小管と結合した食胞に大きな運動エネルギーが与えられ、Erの増加として計測される。
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