2001 Fiscal Year Annual Research Report
多変量自己回帰モデルによるヒト神経性循環調節のシステム同定に関する研究
Project/Area Number |
12680851
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
杉山 由樹 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (50240809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 暁宜 愛知教育大学, 保健管理センター, 講師 (20319320)
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Keywords | 神経性循環調節 / 多変量自己回帰モデル / 筋交感神経活動 / 圧受容器反射機能 / インパルス応答 / システム同定 / 下半身陰圧負荷 / 頸部チェンバー法 |
Research Abstract |
本研究は、多変量自己回帰モデルをヒトの神経性循環調節システムに適用し、心機能と血管運動性交感神経活動の両要因を含む神経性循環調節システムを一元的に解析し、統合的にシステム同定することを目的とする。平成13年度は実験を行ない、実験データについて解析を進めた。(1)安静時にはBP-to-RRI(体血圧1mmHgの上昇による心電図RR間隔の変化)は1秒後一過性にRR間隔が約4msec延長し、BP-to-MSNA(体血圧1mmHgの上昇による筋交感神経活動MSNAの変化)は1秒後一過性にMSNAが抑制された。RRI-to-BP(心電図RR間隔1msecの延長による体血圧の変化)は1〜3秒間一過性に約0.02mmHg体血圧が低下し、MSNA-to-BP(筋交感神経活動による体血圧の変化)は6-7秒後に体血圧のピークとなり20-30秒にわたり緩徐に基線に復した。(2)起立時には、BP-to-RRIは減弱したが、BP-to-MSNAは維持された。RRI-to-BPおよびMSNA-to-BPはともに増強した。(3)高齢者では、BP-to-MSNAおよびRRI-to-BPは不変であったが、BP-to-RRIは軽度減弱し、MSNA-to-BPは若年者と比較して著明に減弱した。神経性循環調節システムのような生体フィードバックシステムにおいては圧受容器反射機能だけでなく効果器側の自律神経活動による心血管系の反応性も評価する必要があり、このような複雑なシステムの記述に多変量自己回帰モデルは有用であると考えられるが、他方、下半身陰圧負荷時の圧受容器反射機能について、頸部チェンバー法を用いて求めると圧受容器反射機能は不変であり、多変量自己回帰モデルによる解析結果と一致せず、モデルの妥当性および非線形性について今後さらに研究が必要であると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 須藤千恵, 杉山由樹, 間野忠明, 小林章雄: "多変量自己回帰モデルによる神経性循環調節機能の解析"宇宙航空環境医学. 35・4. 161 (1998)
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[Publications] 杉山由樹, 須藤千恵, 間野忠明, 小林章雄: "起立時の神経性循環調節機能-多変量自己回帰モデルによる解析"宇宙航空環境医学. 35・4. 161 (1998)
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[Publications] 杉山由樹, 古賀一男: "下半身陰圧負荷時のNeck Chamber法による頸動脈圧受容器-心拍数反射機能の評価"宇宙航空環境医学. 37・4. 86 (2000)
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[Publications] Fu Q., Sugiyama Y., Kamiya A., Mano T.: "A comparison of autonomic responses in humans induced by two simulation models of weightlessness : lower body positive pressure and 6 head-down tilt"Journal of the Autonomic Nervous System. 80. 101-107 (2000)
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[Publications] Sugiyama Y., Kobayashi F., Sudoh C., Mano T.: "Head-up tilt時のヒト心血管機能の神経性調節"Japanese Journal of Physiology. 49S. S183 (2000)