2000 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学用材料としての細胞接着性ペプチドの分子設計と人工細胞外マトリックスの構築
Project/Area Number |
12680854
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
平野 義明 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (80247874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 勝仁 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (70203966)
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Keywords | 細胞接着性オリゴペプチド / Arg-Gly-Asp-Ser(RGDS) / RGDSミメチィックペプチド / コンホメーション解析 / 血小板凝集阻害活性 / 細胞接着実験 / 生医学材料 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
細胞接着活性を有するオリゴペプチドRGDS、RYDS、EILDV、YIGSR、IKVAV等やRGDSミメティックペプチドを液相法により合成し元素分析、アミノ酸分析、MALDI-TOF-MS、NMR等により合成されていることを確認した。また、Har-Gly-Asp-Ser(hRGDS),Can-Gly-Asp-Ser(CaGDS),Arg-Nip-Asp-Ser(RNiDS)の合成において最終脱保護をTFMAS処理からHF処理に代えることにより収率・純度の両面において著しい向上が見られた。 これらのRGDSミメティックペプチドを用いて,血小板凝集阻害実験を行い、IC50を求めることによりミメティックペプチドの構造活性相関について検討を加えた。その結果、hRGDSはRGDSの2倍以上の血小板凝集阻害活性が確認できた。以上のことより、アルギニン部分は、アミノ酸を置換し側鎖長などを変化させてもグアニジド基があれば活性発現が見られるが、アスパラギン酸残基は置換することは出来ず側鎖のカルボキシル基の存在の重要性が示唆された。また、グリシン残基部分は、主鎖構造において構造制御可能なアミノ酸であれば、他のアミノ酸に置換しても活性は発現することが判明した。 血小板凝集阻害活性実験の結果高活性であった、hRGDSおよびRGDSをポリビニルアルコール(PVA)フィルム上に固定化し、マウス由来線維芽細胞L929を用いて細胞接着活性試験を行った。その結果、hRGDSおよびRGDSをPVAフィルム上に無水コハク酸を用いて共有結合法により固定化したところ、未修飾フィルムに比べて両者とも劇的に細胞接着の向上が見られた。また、ペプチドとPVAフィルム間にスペーサーを導入すると、スペーサーを導入していないものと比較すると培養24時間後には2倍以上の細胞接着が観察された。 さらに、人工細胞外マトリックス構築のために、アルギン酸を用いたハイドロゲルの設計を行った所、アルギン酸の構造と架橋剤をコントロールすれば種々の含水率のゲルが調製できる事が明らかになった。以上のことが平成12年度の研究で明らかになった主なものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Hirano 他5名: "Sythesis of Arg-Gly-Asp-Ser Mimetic Oligopeptides and Evaluation of Their Cell-Attachment Activity."Peptide Science. (印刷中). (2001)
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[Publications] Y.Hirano 他4名: "Conformational Analysis of Model Polypeptides Having Repetitive Xaa-Pro Sequences."Peptide Science. (印刷中). (2001)
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[Publications] Y.Hirano 他4名: "Synthesis and Evaluation of Cell-Attachment Activity of RGDS mimetic Peptides."Biomedical Materials Research in the Far East. 4. 108-109 (2000)
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[Publications] M.Oka,Y.Hirano 他1名: "Theoretical conformational Analysis of Oligopeptide Containing Amino-Acid Sequence Relating to Cell-Attachment Activity"Biomedical Materials Research in the Far East. 4. 32-33 (2000)