2000 Fiscal Year Annual Research Report
自己高揚的行動の生起過程における自動的処理と統制的処理の相互作用
Project/Area Number |
12710076
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
伊藤 忠弘 帝京大学, 文学部, 講師 (90276759)
|
Keywords | 暗黙の自尊心 / 暗黙の連合テスト |
Research Abstract |
Greenwald et al.(1998)の開発した暗黙の連合テスト(implicit association test;IAT)を日本語の概念で実施し、そのテストの妥当性を検証した。さらにIATを用いて暗黙の自尊心の個人差を測定し、その概念的、方法論的妥当性を検討した。まず最初に特性概念として「快-不快」、対象概念として「花-虫」、「楽器-武器」を用いたIATを被験者40名(男性24名、女性16名)に実施した。その結果、(1)「快」と「花」および「楽器」を組み合わせた弁別課題(一致課題)の方が「快」と「虫」および「武器」を組み合わせた弁別課題(不一致課題)よりも反応時間が短く;(2)一致課題と不一致課題の反応時間の差異を「花-虫」、「楽器-武器」に対する暗黙の態度の強さを示していると考え、質問紙による両概念おける態度の強さとの相関を調べたところ、0.2程度で低く暗黙の態度の測度の弁別的妥当性が確認された。次に特性概念として「肯定-否定」に対応する一般的な単語および特性語、対象概念として「自己-非自己」を用いたIATを男性被験者35名に実施した。その結果、(3)肯定語と「自己」を組み合わせた弁別課題の方が、否定語と「自己」を組み合わせた弁別課題よりも反応時間が短く、(4)(2)と同様に反応時間の差異を暗黙の自尊心の指標として、質問紙による明示的な自尊心の尺度との相関を調べたところ、一般的単語では相関が低く特性語では相関は中程度であり、弁別的妥当性は一部確認された。
|
Research Products
(1 results)