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2000 Fiscal Year Annual Research Report

近代大阪のローカル・エリートに関する社会学的研究

Research Project

Project/Area Number 12710118
Research InstitutionKoshien University

Principal Investigator

大川 清丈  甲子園大学, 人間文化学部, 講師 (80299057)

Keywords大阪 / エリート / 名士 / 文化名士
Research Abstract

研究代表者は、当時日本最大の工業都市であった大正期・大阪のローカル・エリート(名士)を取り上げ、彼らの属性を数量的および質的に分析してきている。
これまでに、分析対象として大正2年に刊行された人名録『大阪現代人名辞書』を用い、その「本編」1,712ケースから2/3にあたる1,142ケースを無作為抽出し、そこの記述から各ケースの属性をコード化し、「地域移動」「学歴」「職業」を分析軸とした分析を行った。地域移動パターンとしては、「定着名士」「還流名士」「流入名士」の3類型を設定した。そして近代大阪の上層部分における伝統部門として「商工業名士」と「文化名士」(=宗教・芸術・著述・芸能などの名士)という2グループが析出された。
今回は以上の分析をふまえて「文化名士」の特徴を探った。「文化名士」は1,142ケース中279ケース(24.4%)を占め、そのうちの半分強142ケースが「画家」、次に「俳優・女優」が25ケース、「文学者」(=俳人・書家など)が19ケースなどとなっている(『大阪人物辞典』[三善貞司編、清文堂、2000年]と照らし合わせると、『大阪現代人名辞書』においては「画家」が過剰に代表されていると考えられる)。
また「文化名士」の学歴と地域移動パターンを見ると、「流入・低学歴名士」がとくに多い。これは「文化名士」とくに「画家」が学校に通わずに、全国各地に居住する師匠に師事するために遍歴を繰り返していることによる。
近代日本の名士に関する従来の研究では、地方出身者が東京などにある学校に就学するコースを辿って名士になるパターン-すなわち学校を媒介にした地域移動とそれに伴う社会移動=上昇移動-が多いことが明らかになっている。その点で今回の「学校を媒介しない地域移動・社会移動」という視点は、近代日本の「文化名士」を考え直す上で貴重な示唆を与えてくれる。

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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