2000 Fiscal Year Annual Research Report
データベースを利用したネワール語動詞クラスと語法の研究
Project/Area Number |
12710290
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
桐生 和幸 美作女子大学, 生活科学部・生活科学部, 講師 (30310824)
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Keywords | 述語動詞 / ネワート語 / 語法研究 |
Research Abstract |
1.研究経過 本年度は、以下の研究を行った。 1.パーソナルコンピュータ上にLinuxを載せ、SQLに基づくデータベースを構築した。現在のところ、CGIを用いて出力する方法をいくつか検討している。 2.ネワール語のデータをL^AT_EXのItrans5.0の仕様に基づいて、ローマ時転写入力を行った。入力したデータは、子供向けの雑誌2号分、および、物語12編。 3.今年度は、助動詞や主要な基本動詞について抽出し、語法をインフォーマントとの対面調査によって分析を進めた。 2.研究成果 今年度は、各動詞の出来事形と状態形を肯定形、否定形のそれぞれから調べた結果ネワール語の動詞の活用形に関してこれまで触れられてこなかったことが判明した。これまでは、状態形は、反復性や習慣や状態を表すと考えられてきたが、実際には、1回限りの過去の出来事を表すことができる場合があり、出来事形と状態形で、同じ1回限りの出来事であっても前提とする部分が異なることが明らかになった。具体的には、出来事形は、その動詞の表す出来事の成立が前提とするような場面で使われるのに対して、その出来事が文脈からは前提とされず、成立したような場合は状態形を使うという点である。このことは、specificityということが関係しており、ネワール語の動詞活用の基盤にモダリティーが大きく関係していることがわかる。このことは、7月27日から29日にかけて行われるLinguistics Institute of LSA,Santa Barbaraに付随して行われるTibeto-Burman Workshopで発表することになっている。 3.今後の取りまとめへ向けての予定 来年度の取りまとめに向けて,最終的にデータベースを完成させる取り組みを行う。掲載するデータを増やし、同時に、語法研究の成果を論文としてまとめる。
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