2000 Fiscal Year Annual Research Report
法化社会における法と法曹の専門性について-医療化との比較検討
Project/Area Number |
12720006
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
渡辺 千原 立命館大学, 法学部, 助教授 (50309085)
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Keywords | 専門家 / 法化 / 医療化 / 医療過誤訴訟 |
Research Abstract |
第一に、標記の研究課題に取りかかる前提として、現在の司法改革の状況、医療過誤訴訟を中心とする医療と法の交錯状況についての整理、研究を進めてきた。司法改革のこれまでの流れを整理した「いま司法改革の焦点は何か」法学セミナー2000年7月号、医療過誤訴訟の現状と問題点を考察した「医療過誤訴訟と専門家」月刊司法改革11号や、「医療過誤訴訟と医学的知識」立命館法学を発表した。医療過誤訴訟を通じた医療分野の法化が、医療の正規化および医療過誤訴訟の被害者の救済に十分寄与できていないこと、その原因を考察した。今後は必ずしも「訴訟」の形を取らない法的規制の現状と可能性、限界についても考察を進めていきたいと考えている。 第二に、医療化、法化の理論的到達点を整理するために、医療社会学・職業社会学(専門家についての社会学)・法社会学・法哲学等の文献、資料を収集し整理を進めている。医療化、法化が、プロフェッショナライゼーションを伴う現象であることから、プロフェッションの社会学も射程に入れているのであるが、上記「医療過誤訴訟と医学的知識」では、アボットの専門家社会学の検討も行い、今後の研究への示唆をなしている。 第三に、二〇〇一年二月には、アメリカ合衆国ボストンで、医事法関係の資料収集を行い、また2001年に予定している合衆国バークレイでの在外研究の打ち合わせ(Robert Kagan教授)を行い、合衆国における医療化および医療に対する法的規制についての研究準備を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 渡辺千原: "いま司法改革の焦点は何か"法学セミナー. 547. 52-55 (2000)
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[Publications] 渡辺千原: "医療過誤訴訟と専門家"月刊 司法改革. 11. 36-39 (2000)
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[Publications] 渡辺千原: "医療過誤訴訟と医学的知識"立命館法学. (2000)