2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12720018
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寺谷 広司 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (30261944)
|
Keywords | 国際法 / 人権 / 階層(性) / 立憲(性) / デロゲートできない権利 / 逸脱不可能性 / ユス・コーゲンス / 国際犯罪 |
Research Abstract |
本研究報告書は、2年計画の中間段階に提出される。 国際法の階層化論を国際人権の視角から解明する本研究は、第1に、対象となるユス・コーゲンスや国際犯罪の概念を適切に位置づける必要があった。研究開始前は、関連する第二次文献を中心に規範の妥当と行為規制の機能という2つの側面から大まかな仮説を立てていたが、現在のところ、実体確定、確定手続、履行確保の3段階に分けて議論することが適切であると暫定的に結論している。残り期間で、実証的に一層説得的で、かつ一般的な論証枠組みの中に位置づけなくてはならない。作業の第2は、分析視角となる「人権」についてであるが、ある程度は予想していたものの、人権概念の多様な捉え方が研究に困難をもたらしている。このことから、「国際的に人権を保障する」という多くの研究が明確な問題意識なく使っている常套句の意味を探求せざるを得なくなっている。他方、方法としての人権と対象としての人権という2つの区別された視角が有用であるという作業仮説は揺るがなかった。 この研究に関連して、既に2つの報告を行っている。 ・"Hierarchization in International Human Rights Norms and Beyond"(ケンブリッジ大学ローターパクト国際法研究所の研究所内部向け報告会、2000年4月25日) ・「国際人権法学はいかにして可能か」(北海道大学法学会、2000年11月30日)である。 更に、5月の国際法学会で「国際人権の階層性と立憲性」の題目で報告する。なお、上記英語報告を元にした原稿は"Emerging Hierarchy in International Human Rights and Beyond"の題目で、European Journal of International Law誌上で公表されることが確定しているが、巻号は未定である。
|