戦間期国際政治思想の再検討:グローバリゼーションの挑戦と世界秩序構想の思想的基盤

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12720062
• Research Institution: Seikei University
• Principal Investigator: 遠藤 誠治 成蹊大学, 法学部, 助教授 (60203668)
• Keywords: 戦間期 / 国際政治思想 / グローバリゼーション / 世界秩序 / ケインズ / E.H.カー / 自由主義 / 国際経済システム

Research Abstract

本研究では、不安定化する世界政治経済システムをいかに制御するのかという現状への関心に基づいて、戦間期の国際政治思想を再検討することを課題としている。この課題の中心は、主として英語圏で戦間期に活躍した国際政治経済思想家の思想を、国際政治経済システムの不安定化の実態と関連づけながら解読していくという点にある。
このような関心と課題にしたがって、本年度は、主として文献の収集と読解を中心とする文献調査を進めた。本年度前半は文献目録の作成を課題として作業を進めた。予想通り、収集すべき文献は膨大な量に上り、目録自体は未だ作成中である。目録作成と並行して、文献の収集と読解の作業も進めた。具体的には、ジョン・メイナード・ケインズ、E.H.カー、カール・ポランニー、ディヴィド・ミトラニー、ピーター・ドラッカー、ノーマン・エンジェルらの文献の収集はかなり進捗し、これらの思想家の著作の読解を進めているところである。これらの思想家の中でも、今年度は、とりわけ、ジョン・メイナード・ケインズとE.H.カーの著作を中心に研究を進めた。
その成果をもって、冬期には英国(ブラッドフォード、アバリストウィス、ケンブリッジ)での文献収集と研究者との意見交換を行った。短期間ではあったが、カーを専門とする研究者集団、戦間期国際政治思想の専門家などと精力的に意見交換を行い、今後にわたる協力と意見交換を約した。
次年度は現在継続中の読解作業を継続し、欠落している情報や文献を補うとともに、英国の国際政治学者との交流を深めつつ、彼らの知見を参考に議論を深めていく予定である。