2000 Fiscal Year Annual Research Report
米軍占領初期の沖縄の政治変動とその東アジア国際関係史における特徴に関する分析
Project/Area Number |
12720064
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
若林 千代 津田塾大学, 学芸学部・国際関係学科, 研究助手 (30322457)
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Keywords | 米軍 / 占領 / 沖縄 / 政治変動 / 東アジア / 国際関係史 / 沖縄現代史 / 軍政 |
Research Abstract |
本研究は、米軍占領初期の沖縄の政治変動とその東アジア国際関係史における特徴を明らかにするものである。今年度は、日本において収集可能な第二次世界大戦終結から朝鮮戦争、対日平和条約発効にかけての時期に関する基礎資料・文献の整理、また、日本および米国における沖縄現代史研究関連の最新の研究動向の分析などをおこなった。 米国の沖縄占領関係基礎資料は、沖縄県教育委員会が収集・刊行作業を充実させており、報告者は、現在発行されている新編『沖縄県史』資料編のうち、「Civil Affairs Handbook」「10th Army Operation Iceberg」「Military Government Activities Reports」などを購入し、米軍の対沖縄政策の変遷と対住民観について考察した。また占領初期の沖縄側の基礎資料として『うるま新報』『沖縄新民報』『自由沖縄』など新聞の刊行資料、『戦後資料沖縄』『琉球史料』『沖縄大観』『沖縄県議会史』など資料集成を購入・整理した。加えて、国立国会図書館憲政資料室にて、連合国総司令部およびマッカーサー記念館アーカイヴ所蔵沖縄関係資料、米国国立公文書館所蔵米国民政府関係資料を閲覧し、重要な関連部分については、パソコン入力およびマイクロフィルムの購入・整理をおこなった。これらの資料により、米国本国政府における政策決定過程と住民側の動向の間を結ぶ米軍政府の動向について考察が可能となった。さらに、沖縄県公文書館では、琉球政府文書中の沖縄民政府期資料、特に住民と米軍政の渉外を担当した部局資料について複写・購入、整理をおこなった。 日本および米国における沖縄現代史研究関連の最新研究動向の整理としては、米国の対沖縄政策決定過程論の学位論文の考察が中心となったが、同時に、近年注目される分野として、文化研究における沖縄占領に関する研究についても考察をおこなった。事実関係の立体的把握とともに、こうした新たな分析枠組についても注目した。
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Research Products
(1 results)