2000 Fiscal Year Annual Research Report
ポテンシャル関数を用いたゲームの均衡選択理論に関する研究
Project/Area Number |
12730006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宇井 貴志 筑波大学, 社会工学系, 講師 (60312815)
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Keywords | 非完備情報 / 均衡の精緻化 / 均衡の頑健性 / ポテンシャル関数 |
Research Abstract |
Monderer and Shapley(GEB,1996)が導入したポテンシャルゲームは,ポテンシャル関数を持つような非協力ゲームである.ポテンシャル関数を最大化する戦略の組はナッシュ均衡である.つまり,ポテンシャル関数を最大化する戦略の組はナッシュ均衡の精緻化になっている.新たに得られた知見の1つ目は,Kajii and Morris(Econometrica,1997)の非完備情報に対する頑健性の概念を用いると,ポテンシャル関数を最大化する戦略の組に均衡精緻化としての正当化を与えることができる,という結果である.すなわち,ポテンシャル関数を最大化するような戦略の組がただ1つならば,その戦略の組は頑健であることを証明した. 非完備情報に対する頑健性の十分条件としては,今回得られた結果のほかに,Kajii and Morris(Econometrica,1997)によるp支配戦略による十分条件,Morris(1999)による特性ポテンシャル関数による十分条件,などが知られている.新たに得られた知見の2つ目は,ポテンシャル関数を一般化した一般化ポテンシャル関数を導入すると,これらの異なる十分条件を統一することができる,という結果である.すなわち,一般化ポテンシャル関数を最大化するような戦略の組がただ1つならば,その戦略の組は頑健であること,この十分条件は,既存のすべての十分条件を一般化していること,を証明した.
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Research Products
(1 results)