2000 Fiscal Year Annual Research Report
ゼロエミッション構想に基づくエコタウン事業の実現可能性と地域経済への影響分析
Project/Area Number |
12730041
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
李 態妍 北九州市立大学, 経済学部, 助教授 (30316153)
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Keywords | 北九州市エコタウン事業 / 環境の産業化 |
Research Abstract |
本研究では、平成9年7月いち早く承認を受け、エコタウン事業を実施している北九州市を対象として、エコタウン事業の進捗状況や企業の事業参加に関する意識調査を行った。 その結果、環境関連事業を北九州市のエコタウンで行うか否かの選択において、廃棄物処理・リサイクル業の場合、エコタウン事業へ積極的に参加する意向を示している。これは、北九州市では、「環境の産業化:静脈産業の集積化による地域経済振興を目指す」タイプのエコタウン事業を展開しており、対象とされる事業が限定されており、環境関連事業としながらも多くの支援が廃棄物処理業、リサイクル業に集中している傾向があるためと思われる。さらに、環境関連事業は規模の経済性が働くため、大企業の中心の事業展開が多く、中小企業やベンチャー企業の参加が少ないように思われる。 また、北九州市で進めているリサイクル事業は、資本集約的なものであることから必然的に大企業が中心に事業化が進んでいることが分かった。さらに、環境関連事業が主に従業者数30人以下の小規模事業所を中心に行なわれていることも分かった。本調査の結果から、北九州市のエコタウン事業では多額の設備投資を必要とするものの、雇用の拡大による地域経済への活性化効果はそれほど大きくないと思われる。 しかしながら、北九州市エコタウン事業の立地条件や北九州市のエコタウン事業展開に関する総合的な評価は、概ね「満足」しているという結果が得られたので、更にエコタウン事業を拡大する場合、資本集約的な事業にも中小・ベンチャー企業が参加し,新しい技術を開発・製品化していくための財政的・政策的支援が十分整えれば多くの事業所が参加すると思われる。
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