2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740009
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
大野 真裕 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (70277820)
|
Keywords | 法ベクトル束 / 豊富ベクトル束 / 射影幾何 / 割線多様体 / 偏極多様体 |
Research Abstract |
XをP^N内の非退化な(即ち,超平面に含まれていない)n次元非特異射影多様体とする.平成12年度には,研究計画にある,X⊂P^Nの第二基本形式を調べるという方向で,次の結果を得た:NをX⊂P^Nの法ベクトル束とする.N【cross product】O_X(-1)をP^NのFubini-Study計量から誘導される計量によってエルミート正則ベクトル束とみるとき,N【cross product】O_X(-1)は,Xの一般的な点で,高々2(N-n-1)-positiveである. 完全交叉に関するHartshorne予想によると,余次元N-nがn/2より小さいなら,N【cross product】O_X(-1)はXの任意の点でO-positiveにならないといけない.この予想されるベストの結果に,上記の結果は及ばない.そこで,この改良が今後の課題となる.この結果は,J.M.Landsbergの第二基本形式に関する結果に基づいており,また,Landsbergの結果は,Fulton-Hansenの連結性定理に基づいているので,連結性定理を精密化することにより,改良できるのかどうかを調べていきたいと考えている. 当初,平成12年度に計画していた,トーリック多様体に対してDouble point formulaを計算し,わかりやすい式に直して,そこから退化した割線多様体をもつものを分類するということは,未だ成功していない.この課題は来年度も引き続き取り組む予定である.トーリック多様体の場合はまだ途中であるが,A.J.Sommese等による偏極多様体の随伴理論で現れるいくつかの特殊な多様体については,Double point formulaを計算し,簡単にすることが出来た.
|