2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740044
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高田 敏恵 新潟大学, 理学部, 助教授 (40253398)
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Keywords | 結び目の量子不変量 / 3次元多様体の量子不変量 |
Research Abstract |
1.結び目の量子不変量の漸近挙動について、以下のことを行った。 双曲結び目のジョーンズ多項式(量子SU(2)不変量)の漸近挙動から、双曲体積とChern-Simons不変量が得られるというKashaev-村上-村上予想について、ジョーンズ多項式を複素積分に変形するKashaevの方法を形式的に用いることにより、今まで数値実験がなされていた結び目とは違うクラスの結び目(交代結び目でない結び目)について数値実験を行い、予想を正当化する結果を得た。 2.3次元多様体の量子不変量の漸近挙動については、以下のことを行った。 ザイフェルト多様体のSU(2)Witten-Reshetikhin-Turaev不変量(WRT不変量又は量子不変量)を複素積分を用いて表すというLawrenceとRozanskyによって得られた結果を、単連結コンパクト単純リー群Gに対するG WRT不変量に拡張することを目的として、彼らが複素積分に変形した式年に対応する、ザイフェルト多様体のG WRT不変量の式を得た。 前年度は、GがA, D, E型の場合に、ザイフェルト多様体のG WRT不変量の式を得たが、今年度、この結果を他のリー群にも拡張できた。 また、1のr乗根qをパラメータとするWRT不変量をrについて展開したとき、Chern-Simons不変量を含む項の和で表せるという、Andersenによる「漸近展開予想」がある。 上で得られた式をレンズ空問の場合に適用し、更に、西氏によるSU(N)-Chern-Simons不変量の計算結果と比較することにより、レンズ空間に対しては、「漸近展開予想」が正しいことがわかった。
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