2000 Fiscal Year Annual Research Report
反応拡散系に現れる螺旋進行波の出現機構に対する計算機支援解析
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12740062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長山 雅晴 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (20314289)
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Keywords | 燃焼合成モデル / 自己触媒反応モデル / 区分定数関数反応拡散方程式 / 脈動進行波 / 螺旋進行波 / 樟脳運動モデル |
Research Abstract |
燃焼合成反応に現れる螺旋進行波の発生機構の本質が1次元脈動進行波の存在にあることを示すために,燃焼合成モデル以外の脈動進行波を持つ反応拡散方程式系を調べた.その結果自己触媒反応を記述する反応拡散モデルや区分定数関数の反応拡散方程式系は脈動進行波をもつことがわかった.さらにそれらの方程式において脈動進行波が出現したとき,円柱領域において螺旋進行波が出現することがわかった.そこで,螺旋進行波の出現を分岐理論的に解析することを考えた.燃焼合成モデルと自己触媒反応モデルでは1次元進行波解を構成すること困難であったので,区分定数関数反応拡散方程式について解析を行った.その結果1次元進行波解を構成することができた.さたにあるパラメータを変化させたとき,Newton法を用いた数値計算結果から脈動進行波が存在する状況においても進行波解が存在することがわかる.この結果はパラメータを変化させると安定な進行波解がHopf分岐により不安定化し脈動進行波解が出現することを示唆している.進行波解に対する線形化解析は現在進行中である.これらの結果は数理解析研究所での研究集会にて講演を行った.またその一部は現在雑誌論文に投稿中ある. これらの研究と平行して樟脳運動を記述する数理モデルの研究も行っており,モデル方程式の構築し数値実験を行った.その結果モデル方程式の解のダイナミクスは定性的に実験結果とよく一致していることがわかった.この結果は現在雑誌論文に投稿中ある.さらに副産物として脈動進行波が出現することがわかり,燃焼合成モデルに現れる脈動進行波と樟脳運動に現れる脈動進行波の相違や類似性も考察中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Mimura: "Dynamics of travelling Breathers arising in reaction-diffusion systems-ODE madelling approach-"Hiroshima Math.J.. 30(2). 221-256 (2000)
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[Publications] M.Nagayama: "On the blow-up of some similarity solutions of the Navier-Stokes equations"Quader.diMat.. (発表予定).