2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12740081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有澤 眞理子 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (50312632)
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Keywords | 非線型楕円型方程式 / 確率制御 / エルゴード問題 / 粘性解理論 / ホモジェニゼイション / 多重スケール モデル |
Research Abstract |
1.非線型楕円型方程式(HJB方程式)にノイマン型境界条件を課したものに対して、境界上に現れるエルゴードー的性質を研究した。そして、その結果を境界が振動すると共に振動しているノイマン型境界条件のホモジェニゼイション(斉次化)問題を解くことに応用した。問題の起源は工学の多重スケールモデルである。研究結果は論文準備中、ルーアン大学(仏国)の解析セミナーで講演。 2.曲率流方程式やHJB方程式等に与えられる非線型ノイマン型境界条件に関する諸問題について、幾人かの研究者達と情報交換を行い検討中。 3.薄膜内の非等方的曲率流の漸近解析の結果を論文にし、国際会議(粘性解とその応用(伊国))等で講演した。また、この結果に対して筆者達の課した境界条件を若干変えることにより、全く異なる解析結果が予想されるが、それについてパリ大学の研究者と連絡を取っている。 4.確立論で多粒子系が、粒子数無限大の極限で退化楕円型偏微分方程式に収束する際に、エルゴード性が用いられることについて、専門家から興味深い説明を受けた。 5.一階ハミルトンーヤコビ方程式のホモジェニゼイションの古典力学的解釈を学んだ。その他、ホモジェニゼイションの変分法的取り扱いによる諸結果を知った。 6.粘性解理論について、以下の新知見を内外の研究者かち得た。(i)バーガーズ方程式等今までの理論では扱うことのできなかった非線型一階偏微分方程式に適用できる拡張された粘性解の概念。(ii)L^p粘性解理論と、それを用いた二階楕円型方程式の解の滑らかさの理論。(iii)確率偏微分方程式に対する粘性解的アプローチ。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mariko Arisawa: "Anisotropic curvature flows in a very thin domain"Hokkaido University preprint series in mathe-matics. #495. 1-21 (2000)
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[Publications] Mariko Arisawa: "Quasi-periodic homogenizations for second order HJ Bequation"Advances in Math.Sci.Appl,. Vol.11(発表予定).