2000 Fiscal Year Annual Research Report
ディラック作用素の反可換性に基づくスペクトルの解析
Project/Area Number |
12740103
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小栗栖 修 金沢大学, 理学部, 助教授 (80301191)
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Keywords | ディラック作用素 / 反可換性 / 異常磁気能率 / 基底状態 / スペクトル |
Research Abstract |
1.Pavel Exner氏(Academy of Sciences,Pargue, Czech Republic)、廣川真男氏(岡山大学理学部)との共同研究:異常磁気能率項を伴うディラック作用素の点スペクトルの個数について、前年(平成11年)度の両氏との研究では、個数の下限について、またその下限が有限の場合のみの結果しか得られていなかった。本年は、ある条件C下では点スペクトルの個数が無限大になるときの存在が証明できた。また、Lieb-Thirringの不等式を用いることで個数の上限の評価Pを得られる見通しがたった。条件Cはどうやら個数が無限大になる最良の条件であると期待して良いと思われ、評価Pが求まればそれを確認できると期待している。 2.廣川真男氏との共同研究:磁場を伴うディラック作用素の固有値0の固有空間についてAharonovとCasherによる古典的結果(磁場が滑らかで有界な台を持つ場合)と新井朝雄氏による強い特異性を持つ磁場の場合の結果が知られていたが、滑らかな部分と強い特異性を持つ部分を併せ持つ磁場の場合Gにおいて固有空間の構造を決定した。この設定GはAB効果の外村らによる検証実験の設定を、AharonovとCasherや新井の設定よりも良く表現していて、物理的意義もある。この結果をJournal of Mathematical Physicsに投稿し、2001年3月現在、条件付採録の通知を受け、修正したものを再投稿したところである。
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