2000 Fiscal Year Annual Research Report
異なる伝播速度をもつ半線形波動方程式系の臨界爆発問題の研究
Project/Area Number |
12740104
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
太田 雅人 静岡大学, 工学部, 助教授 (00291394)
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Keywords | 波動方程式 / 爆発解 / 臨界巾 / 非線形 |
Research Abstract |
異なる伝播速度をもつ半線形波動方程式系の小さいデータに対する初期値問題の時間大域存在・非存在に関して、以下の研究を行なった。 1.空間3次元において弱い非線形相互作用の場合に、異なる伝播速度をもつ半線形波動方程式系の小さなデータに対する初期値問題に関して久保英夫氏と共同研究を行ない、データの小ささを表すパラメータを用いて古典解の最大存在時間に関する下からの精密な評価を与え、ほとんどの場合、以前得た上からの評価が最良であったことが分かった。 2.東北大学大学院理学研究科の津川光太郎氏を静岡大学に招待し、2日間に亘り、津川氏が最近得た、本研究課題と関連の深い結果について詳しく解説してもらい、さらに様々な話題に関して議論を行なった。その結果、久保英夫氏との共同研究に基づいて以前立てた予想について、大幅な修正が必要であることが分かった。具体的には、弱い非線形相互作用の場合と異なり、強い非線形相互作用の場合及び中間的な非線形相互作用の場合は、伝播速度の違いにより、単独方程式の場合の臨界冪から予想されるものよりもかなり小さい非線形冪をもつ場合でも、小さいデータに対する時間大域存在定理が成り立つことが示された。来年度の研究計画として、津川氏が示した時間大域存在定理が成り立たないような場合に対して、小さいデータに対する時間大域非存在定理を示したいと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hideo Kubo,Masahito Ohta: "Small data blowup for systems of semilinear wave equations with different propagation speeds in three space dimensions"J.Differential Equations. 163・2. 475-492 (2000)
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[Publications] Hideo Kubo,Masahito Ohta: "Global existence and blow-up of the classical solutions to systems of semilinear wave equations in three space dimensions"Rend.Istit.Mat.Univ.Trieste. 31・Suppl.2. 145-168 (2000)