2000 Fiscal Year Annual Research Report
Ia型超新星による宇宙パラメータの決定およびハイパーノバとガンマ線バースト
Project/Area Number |
12740122
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩本 弘一 日本大学, 理工学部, 助手 (30318357)
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Keywords | Ia型超新星 / 輻射輸送 |
Research Abstract |
Ia型超新星の最大光度のばらつきは、母銀河による吸収や銀河系内の吸収によるもの以外に、0.2等級程度の'固有'のばらつきがあると考えられている。超新星の光度を単純に一様と仮定するのではなく、最大光度と減光タイムスケールの間の経験的な関係を考慮すると、パラメータの決定精度が飛躍的に向上することがよく知られている。この明るさの固有のばらつきの原因を明らかにすることは、Ia型超新星を宇宙パラメータの決定に利用する上で重要であるが、Ia型超新星の爆発機構を解明する上でも非常に重要である。Ia型超新星の理論モデルの最近の進展としては、大規模な多次元流体シミュレーションを行なったドイツの研究グループにより、爆発時に生じる流体力学的不安定によって大規模な物質混合が起こる可能性が示されたことが挙げられる。初期条件や乱流モデルの大きな不定性のために、多次元の直接シミュレーションをもってしても、流体不安定の成長や混合の過程について最終的な結論を下すことが難しい状況が続いている。本当にこのような物質混合が起きるとすれば、輻射輸送の効果として超新星を見る方向によって明るさが異なることが予想される。そこで、非球対称な超新星爆発にたいする輻射輸送方程式の解析的な解を導き、見る方向による明るさの変化の大きさを推定し、観測による明るさのばらつきとの比較をおこなった。これによって、物質混合の程度に制限をつけることができ、爆発機構ににたいする制限をつけることが可能となった。今後、この結果から得られる乱流モデルへの制限を考慮し、研究計画に掲げた爆発のモデル計算を実施する予定である。この他に、モンテカルロ法による3次元光度曲線の計算、個々の超新星の光度曲線やスペクトルの解析のいくつかの共同研究に参加した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iwamoto,K.: "The Peculiar Type Ic Supernova 1997 of : Another Hypernova"The Astrophysical Journal. 543. 660-669 (2000)
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[Publications] Blinnikov,S.: "Radiation Hydrodynamics of SN1787A.I.Global Analysis of the Light Curve for the First 4 Months"The Astrophysical Journal. 532. 1132-1149 (2000)
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[Publications] Bruchwitz,F.: "The Role of Electron Captures in Chandrasekhar-Mass Models for Type Ia Supernovae"The Astrophysical Journal. 536. 934-947 (2000)
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[Publications] Mazzali,P.: "A spectroscopic Analysis of the Energetic Type Ic Hypernove SN1997 ef"The Astrophysical Journal. 545. 407-419 (2000)
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[Publications] Mazzali,P.: "Can differences in Nickel Abundances in Chandrasekhar-Mass Models Explain the Relation between the Brightness and Decline Rate of Normal Type Ia Supernovae"The Astrophysical Journal. 547. 988-994 (2001)
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[Publications] Nakamura,T.: "Light Curve and Spectral Models for the Hypernova SN1998bw associated with GRB980425"The Astrophysical Journal. (accepted in Nov.2000). (2001)