2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740145
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
粟田 英資 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40314059)
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Keywords | 超弦理論 / 行列理論 / ディリクレ膜 / タキオン凝縮 / 非臨界弦 / 超対称ゲージ理論 / 低エネルギー有効理論 / サイバーグ・ウイッテン |
Research Abstract |
重力を含む相互作用の統一理論として有力視されている超弦理論は現在の所、最も包括的な理論であり、その性質を理解する事は現代科学の最大の課題の一つである。超弦理論の更なる理解に欠かせない事は、その新しい幾何的構造及び代数的構造の把握であると言える。本研究課題では、この根本にある数理的基本構造を解析する事を目的として研究を行い、以下の様な成果を得た。研究成果の一部は後述の様に既に雑誌に掲載され、残りのものについては現在発表準備中である。 1.超弦理論の非摂動効果を解析するためにその典型的な現象として、ディリクレ膜の対消滅の際のヒッグス機構の考察を行なった。つまり、ディリクレ膜-反ディリクレ膜対消滅の際のタキオン凝縮による重力子生成を行列理論を用いて解析し、それがアーベル的ヒッグス模型を非可換時空に拡張した理論で記述される事を見い出した。 2.南部括弧の量子化の例を発見し、それを用いて行列理論を相対論化する一つの方法を提案した。これはM-理論の元である膜理論の量子化への足掛かりとなると考えられる。 3.6次元非臨界(無張力)弦つまり、ヘテロティック弦をトーラスとK3にコンパクト化し大局的E_8対称性を持たせた理論の低エネルギー有効理論の解析を行い、サイバーグ・ウイッテン微分の具体型の導出を行った。これは、第1、第2、第3種微分を用いて書かれているが、現在、第1種と第3種のみで表現するための試みを行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Awata,M.Li,D.Minic,T.Yoneya: "On the Quantization of Nambu Bracket"The Journal of High Energy Physics. 02. 013 (2001)
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[Publications] 江沢洋 編: "数理物理への誘い 3"遊星社,西原昌幸. 192 (2000)