2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 隆宣 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70283827)
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Keywords | 崩壊点検出器 / 撮像システム |
Research Abstract |
本年度は崩壊点検出器に使用しようとしている高速撮像システム(128×128画素)が、実際の読み出しにどのくらいの時間が必要となるか、またそれを測定するための主な環境を整えることを目標とした。 今回用いようとしている高速撮像システムは画像処理プロセッサを内蔵したCCDであり、荷電粒子がこのCCDを通過することによって落とすエネルギーを電気信号として読み出すことが可能となれば、粒子検出器として用いることが出来るものである。そして、その崩壊点分解能はCCDのピクセル単位であり、大体50ミクロンを想定している。もし、この分解能でかつ、高速でデータを処理することが可能となれば、将来的に加速器実験で用いる粒子検出器としても使用可能となると思われた。 そこで、この撮像システムの読み出し速度を調べた結果、この画素数で1ミリ秒のオーダーで時間がかかることが判明した。これまでのCCDから考えると確かに高速読み出しが可能であるが、実際の崩壊点検出器として使用を考える場合、かなりの枚数のCCDを使用しなければならないこと、また加速器実験なら100Hz程度で事象を記録しなければならないことを考えると、この速度ではまだ不十分であることが分かった。 ただし、事象発生率が比較的低く、かつ大量の枚数を使わない場合には、まだ検出器として威力を発揮する可能性を持っている。更に、崩壊点検出器として用いる場合、CCDの画素のその殆どは何も記録されていないはずであるので、このデータを取り込まないように工夫すれば、依然、加速器実験で使用できうる崩壊点検出器を作れる可能性も残されている。これ以降はこの可能性を探って、実験を行う予定である。
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