2000 Fiscal Year Annual Research Report
B中間子のプサイ粒子・パイ中間子への崩壊分岐比の測定
Project/Area Number |
12740155
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
宮林 謙吉 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (40273833)
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Keywords | B中間子 / プサイ粒子とパイ中間子への崩壊 / J / Ψ π^0 / CP固有状態 / CP非保存 |
Research Abstract |
高エネルギー加速器科学研究機構におけるKEKB電子・陽電子衝突型加速器と、Belle測定器を用いて収集したB中間子対生成1000万事象のうちから、B→J/Ψπ^0崩壊によるものを10事象観測した。J/Ψはレプトン対に崩壊し、π^0は二つの光子に崩壊するので、これらを用いてB→J/Ψπ^0崩壊を再構成した。この崩壊事象の検出効率とバックグラウンドを、モンテカルロシミュレーションで見積もったところ、それぞれ26%と0.8事象であった。J/Ψπ^0崩壊は、固有値=+1をもつCP固有状態であり、粒子・反粒子の間の性質の差、即ちCP非保存についての研究をするうえで重要な反応である。J/ΨKs、Ψ(2s)Ks、χc1Ks、ηcKs、J/ΨK_Lといった他のCP固有状態とともにCP非保存パラメーターsin2φ1の測定に貢献し、sin2φ1=+0.578+0.317/-0.337(統計誤差)+0.086/-0.095(系統誤差)という結果を得た。これはPhysical Review Letter86巻12号(2001)2509-2514ページに掲載が決定している。また、崩壊分岐比の予備的な値として(0.27±0.09(統計誤差)±0.03(系統誤差))×10^<-4>を得た。今後、崩壊分岐比の系統誤差を詳細に検討する予定である。また、数年以内に100fb^<-1>のデータ蓄積が期待されることから、B→J/Ψπ^0崩壊事象のみでCP非保存パラメーターsin2φ1の測定を行うことが可能であることを示した。
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