2000 Fiscal Year Annual Research Report
液体キセノンタイムプロジェクションチェンバーの二次元読み出しの基礎研究
Project/Area Number |
12740158
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡田 宏之 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助手 (20308258)
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Keywords | 液体キセノン / マイクロギャップ・ストリップ / タイムプロジェクションチェンバー |
Research Abstract |
平成12年度は、二次元読み出し用のマイクロギャップ・ストリップの製作を行った。当初、間隔が500μm、幅が4μm、陽極-陰極間距離が1μmのストリップ電極をx軸、y軸にそれぞれ20本張った1cm角程度のサイズの小型電極を用いる予定であったが、業者との調整がつかず、急遽、別途、手配することになった。新しく製作したマイクロギャップ・ストリップは、間隔、幅、陽極-陰極間距離はそれぞれ、200μm、4μm、2μmで全体として2cm角のサイズの電極にx軸、y軸にそれぞれ100本張られている。 マイクロギャップ・ストリップ電極のサイズが予定よりも大きくなったため、検出媒体である液体キセノンを充填するための容器(マイクロギャップ・ストリップ電極を内蔵する)を含めて、システム全体の構成の改造が必要となり、そのため研究計画に比べて、半年程度遅れてしまっている。 現在、第1ステップとして、陽極-陰極間電圧の変化に伴う電子増幅率のテストの準備はほぼ整い、まもなく測定に入るという段階である。今後の予定としては、先ず、検出器内に入れてあるα線源を用いて、電子増幅率の測定を行い、また、同時に、外から検出器内に入射したγ線やμ粒子の飛跡の観測を行い、エネルギー分解能や位置分解能等の検出器の基本動作をテストする予定である。さらに、読み出し用の電極として、CERNのグループが開発したGEM(Gas Electron Multiplier)グリッドを応用して、2次元読み出しのテストも行う予定である。
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