2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740168
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鶴岡 徹 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20271992)
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Keywords | 強磁性トンネル接合 / 極薄絶縁膜 / 高分解能電子エネルギー損失分光法 / 低速電子線回折 / オージェ電子分光法 |
Research Abstract |
本研究は、強磁性金属単結晶表面上に原子レベルで規定された極薄の絶縁膜を超高真空下で形成し、高分解能電子エネルギー損失分光法(HREELS)、低速電子回折(LEED)、オージェ電子分光法(AES)を用いて、その初期形成過程を調べようとするものである。この目的を達成するためには、まず強磁性金属単結晶試料の選択が非常に重要となる。原子レベルで平坦な清浄表面が準備可能であり、強磁性である材料が望ましい。Fe、Co、FeNi、FeAl、Fe_3Alなどの材料を検討した結果、強磁性トンネル接合によく用いられ単結晶試料が作製可能なFeNi(111)面を選択し本予算で購入した。しかし、この試料表面に対する清浄化方法はこれまでのところ報告されていない。現在、アルゴンイオンスパッタリングと試料加熱による表面準備方法の最適化をLEEDとAESで評価しながら行っている。最適化後、酸素吸着の実験に取り掛かる。 この実験と平行して、アルミニウムの蒸着システムの構築も進めている。トランスファーロッド、油回転ポンプ、ゲートバルブ、およびステンレス製の六方管を本予算で購入し、既存の超高真空システムに接続する作業を行った。現在、試料をHREELS計測用の試料ステージとトランスファーロッド間で自由に搬送できるように、専用の試料ホルダーを設計し、製作に取り掛かっている。
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