2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740200
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
神田 晶申 筑波大学, 物理学系, 助手 (30281637)
|
Keywords | 微小トンネル接合 / 単電子帯電効果 / コステリッツ・サウレス転移 / 窒化シリコンメンブレン / 2次元系 / 電荷ソリトン |
Research Abstract |
1.微小トンネル接合の2次元配列の新しい作製法(窒化シリコンメンブレンのステンシルマスクを蒸着マスクとして用いる方法)のための、ステンシルマスク作製法をほぼ確立した。すなわち、(1)シリコンのウエットエッチング、窒化シリコンのドライエッチングの条件だしを行い、加工の再現性を確認した。(2)メンブレンマスクの応力の最適化を行った。ここで当初、いずれの応力においても、マスクが割れるという問題が生じた。これは、ドライエッチングに対する電子線レジストの耐性が弱く、薄い窒化シリコン膜しか加工できないことが原因であったが、各社の電子線レジストを比較テストすることで最適なレジストを選択し、厚い窒化シリコン膜の加工に成功した。(3)電子線リソグラフィーの露光、現像条件を最適化することで、一辺が0.5ミクロンの正方形の窓が間隔0.3ミクロンで格子状に配列したメンブレンマスクの作製に成功した。さらに、一辺が0.2ミクロン、間隔0.1ミクロンの窓を有するマスクの作製に着手した。 2.メンブレンマスク用真空中高精度マニピュレータを蒸着装置に装着し、位置観察のための光学顕微鏡の設置・調整を行った。また、上記で作製した一辺が0.5ミクロンのステンシルマスクを用いて蒸着テストを行った。その結果、マスク移動時の位置制御の再現性に問題があることがわかった。現在、マスク固定材、固定方法の最適化により、この問題の解決を図っている。 当初計画では、今年度前半に試料作製法を確立する予定であったが、1に述べたマスク加工の条件だしや蒸着装置の調整(再加工)に予想以上に手間取ったため、未だ試料の測定には至っていない。しかしながら、1、2ともに現在は順調に進んでいるため、来年度前半には、最初の試料の測定が行えるのではないかと考えている。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] T.Yamaguchi,R.Yagi,A.Kanda,Y.Ootuka and S.Kobayashi,: "Superconductor-insulator transition in a two-dimensional array of resistively shunted small Josephson junctions"Phys.Rev.Lett.. 85・9. 1974-1977 (2000)