2001 Fiscal Year Annual Research Report
高出力サブミリ波光源ジャイロトロンを用いたESR装置の開発
Project/Area Number |
12740210
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
光藤 誠太郎 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 助教授 (60261517)
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Keywords | サブミリ波 / 遠赤外 / ESR / ジャイロトロン / 強磁場 / CsFeCl_3 / 量子スピン |
Research Abstract |
Gyrotron FU IVAの長パルス動作 通常,ジャイロトロンのパルス動作は100μsec程度で行われている.パルス磁場の幅は2.5msなので,ジャイロトロンのパルス幅を5-10msで動作させる必要がある.現在までにジャイロトロンの電源の改造を行い10msの動作を可能にした.この電源を用い今までに短パルスで観測されている発振について,ロングパルス動作での発振の安定性およびその動作パラメーターについて最適化を行った.その結果ジャイロトロンの基本波モードによる発振は,全てロングパルス化を行うことが可能となった,さらにえられた各発振モードを用いてCsFeCl_3のESR測定を404GHzまで行い磁化過程の各ステップにおいけるESR信号の周波数変化の様子を明らかにした.また二次高調波モードの発振に関しても,ロングパルス化を行いTE_<93>モード(610GHz),TE_<36>モード(668GHz)の二次高調波モードの発振に対してロングパルス発振を達成した,さらにこの二つのモードを用いて,比較的ESR信号の強いDPPHに対してESR測定を行った.それぞれの周波数に対応する共鳴磁場においてESR信号が観測され,また半分の周波数に対する磁場では,ESR信号は観測されなかったことから,これら二つのモードは完全に単独で発信していることが確かめられた.しかしながら基本波モードによる発振に比べ,二次高調波モードは動作パラメーターに敏感で,わずかな電源の揺らぎに対しても敏感に反応した.そのため電源のリップルノイズなどの影響により発振出力が揺らぎ,弱いESR信号の観測に対しては,より高安定な発振を得る必要があることが確かめられた. ACu_2(P0_4)_2(A=Sr, Ba)のESR測定 ジャイロトロン及びGunn発振器を用いACu_2(PO_4)_2のESR信号の温度変化の測定を行った.得られたESR信号の積分強度の解析から,Ba化合物とSr化合物の基底状態及びその相互作用の違いを明らかにした.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Mitsudo et al.: "ESR spectrometer using frequency tunable gyrotrons as a radiation sources"International Journal of Infrared and Millimeter Waves. (in printing).
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[Publications] M.Hata et al.: "High magnetic field ESR measurements of ACu_2(P0_4)_2(A=Ba, Sr)"Third Asia-Pacific EPR/ESR Symposium proceedings. (in printing).
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[Publications] K.Kanazawa et al.: "ESR study of Fe-Sio_2 granular films"Third Asia-Pacific EPR/ESR Symposium proceedings. (in printing).
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[Publications] S.Mitsudo et al.: "The use of a submillimeter wave gyrotron FU IV A in ESR Spectrometer"Third Asia-Pacific EPR/ESR Symposium proceedings. (in printing).
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[Publications] M.Chiba et al.: "High-field ESR study on anomalous magnetization in CsFeCl_3"PHYSICA B. 294-295. 64-67 (2001)