2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740211
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 浩章 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90311737)
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Keywords | 強相関電子系 / 超伝導 / 重い電子系 / フェルミ液体 / スピン揺らぎ / 軌道自由度 |
Research Abstract |
圧力誘起超伝導体CeCu_2(Si,Ge)_2は、反強磁性の量子臨界点から離れたある圧力で転移温度T_cが最大になり、電気抵抗のT^2の係数Aの急激な減少や、残留抵抗値ρ_0のピークと対応しているように見える。 この奇妙な対応関係を理解するため、手始めに、LAPWバンド計算の結果をモデル化した3次元周期的アンダーソンモデルにおいて3次摂動、および、FLEX近似の範囲で超伝導転移を調べた。 得られた超伝導状態は、銅酸化物などと同じくd_<x^2-y^2>の対称性をもち、その超伝導発現機構がf電子間の強い斥力相互作用、特に、そのスピンの揺らぎによるものであることが分かった。これは、従来から期待されていた結果であるが、重い電子系超伝導に関して初めてミクロな立場から議論できた。 転移温度自身は、f電子の分散関係、および、f電子数に敏感で、圧力相図における奇妙な振る舞いも従来のスピン揺らぎに基づく超伝導機構で説明できそうであるという結論が得られた。 また、予想されるように準2次元性が転移温度の上昇には、重要で、3次元性は超伝導の有効引力を減少させるために、急激に転移温度を減少させることが分かる。
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