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2000 Fiscal Year Annual Research Report

Sm^<3+>の磁性にみられる3つの特性温度とその相関関係について

Research Project

Project/Area Number 12740222
Research InstitutionThe High Energy Accelerator Research Organization

Principal Investigator

安達 弘通  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (90300673)

Keywordsスピン偏極 / 補償温度 / サマリウム / コンプトン散乱 / 放射光
Research Abstract

強磁性化合物(Sm_<1-x>Gd_x)Al_2は、秩序領域におけるある特定の温度T_<comp>でスピン磁気モーメントによる磁化と軌道磁気モーメントによる磁化とが相殺して全体の磁化が消失することが磁化測定等から推測されている物質である。このような巨視的な磁化の発生を伴わないスピンの偏極状態は、荷電粒子の運動に対してローレンツ力等の影響を及ぼすことなくそのスピンを操作・検出するための素子材料のもつ性質として有望なものと考えられる。今年度は、このT_<comp>におけるスピンのフェロ配列を微視的に検証するため、楕円偏光X線が当該物質によってコンプトン散乱される際の偏光スイッチング効果の導出を行った。コンプトン散乱のヘリシティー依存性は電子系の磁化のスピン成分のみを検知し、本研究の目的を達成するためには放射光のコンプトン散乱が大変都合の良い手法であることが分かる。この種の実験では通常「磁場反転法」、すなわちX線の円偏光度を一定として外部磁場によって磁性電子のスピンの向きを反転させてその偏極度を計測する方法が行われているが、今の場合には試料自身に磁化がないために「磁場反転法」を適用することが出来ず、逆に電子スピンの向きを固定したまま円偏光度を切り替える「偏光切り替え法」を用いなくてはならない。今年度はこのコンプトン散乱の偏光切り替え効果から、(1)T_<comp>においてスピンの秩序が確かに存在すること、(2)その向きが外部磁場に対して比較的安定であること、(3)当該状態におけるスピンの向きが適当な熱磁気履歴によって反転(制御)可能であること、等の知見を得た。

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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