2000 Fiscal Year Annual Research Report
一次元量子可積分系と付隨する直交多項式の理論と応用
Project/Area Number |
12740250
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
宇治野 秀晃 群馬工業高等専門学校, その他部局等(一般教科(自然)), 講師 (00321399)
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Keywords | 可積分系 / 多変数直交多項式 / Calogero-Sutherland模型 / Dunkl演算子 / リー代数 / ルート系 / ヘッケ代数 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した研究の目的および本年度の研究実施計画に基づき,本年度は,非対称多変数直交多項式を固有関数の直交関数系に持つ,Calogero-Sutherlandタイプの量子可積分系に関する研究を進めた。その成果は以下の通りである。 1)trigonometricタイプのSutherland模型,Ruijsenaars模型の固有関数については,それぞれリー代数,アファイン・リー代数のルート系に関連させて,一般化できることが知られている。また対応する非対称直交多項式固有関数もルート系に付随するヘッケ代数,アファイン・ヘッケ代数を用いて統一的に扱うことが可能であることが,CherednikやOpdamらによって明らかにされていた。CherednikやOpdam流のDunkl演算子を用いたヘッケ代数の表現の観点から,これらの模型に対応する非対称多変数Jacobi多項式やMacdonald-Koornwinder多項式の代数的な構成法を与え,ノルムの計算法を与えた。さらに対応するワイル群の性質を用いて,これらの非対称多項式の対称化・反対称化を行い,ノルムの計算法を与えた。 2)調和振動子型の外場を持つCalogeroタイプの模型の固有関数に対応する,多変数エルミート多項式については,以上のようなルート系に関連させた形式での統一的な取り扱いが可能かどうか,また完全には答がでていない。Jacobi多項式やMacdonald-Koornwinder多項式の場合とほぼパラレルな定式化で解析を行い,その結果,A型とB型の場合については,Jacobiの場合比較して,ルート系の観点からは不自然さが残るものの,非対称多変数エルミート多項式の代数的な構成法と,ノルムの計算,対称化・反対称化に成功した。他の型については現在解析を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Nishino: "Rodrigues formula for non-symmetric multivariable polynomials associated with the BC_N-type root system"Nucl. Phys. B. 571[PM]. 632-648 (2000)
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[Publications] M.Wadati: "Symmetric and nonsymmetric bases of quantum integrable particle systems with long-range interactions"J. Stat. Phys.. 102. 1049-1064 (2001)