2000 Fiscal Year Annual Research Report
中性子エネルギー分析器の開発とその実用化に関する研究
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12740251
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
奥 隆之 理化学研究所, イメージ情報技術開発室, 基礎科学特別研究員 (10301748)
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Keywords | 中性子 / 中性子屈折光学 / 中性子位置敏感検出器 |
Research Abstract |
中性子エネルギー分析器は、中性子屈折光学素子と中性子位置敏感検出器を用いて構成される。中性子屈折光学素子には、中性子と磁場との相互作用を利用して中性子を屈折させるものと、物質界面での中性子の屈折現象を利用するものがある。これまで、我々は4-piece型の永久四極磁石を製作し、中性子ビームを用いてその特性評価を行ってきた。本年度、永久四極磁石の中性子屈折光学特性について詳細な数値シミュレーションを行った。その結果、数値シミュレーションにより、永久四極磁石の中性子屈折光学特性を良く再現できることが分かった。また現在、物質界面での中性子の屈折現象を利用した素子として、単結晶MgF2を用いた中性子屈折光学素子を制作中である。製作完了後、中性子ビームを用いて特性評価を行う。中性子エネルギー分析器のエネルギー分解能を向上させるためには、中性子屈折光学素子の屈折能の向上と、中性子検出器の空間分解能の向上が必要である。そこで、Halbach型の永久四極磁石の設計を行った。その結果、四極磁石を4-piece型からHalbach型にすることで、永久磁石の作る磁場強度勾配を約2倍向上出来ることが分かった。今後、Halbach型磁石の製作を行い、製作完了後、中性子ビームを用いて特性評価を行う予定である。また現在、高性能位置敏感検出器として、中性子シンチレータと波長変換ファイバーを組み合わせた新しい型の中性子検出器の製作を行っている。この検出器は、飛行時間法の適用に対して十分な時間分解能を有した上で、約0.5mmの空間分解能を達成できると期待される。検出器の製作完了後、中性子ビームを用いてその特性評価を行う予定である。
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Research Products
(1 results)